ユニチカ不織布事業部/高機能品開発に重点化/成長路線回復にプロジェクト

2021年07月15日 (木曜日)

 ユニチカ不織布事業部は2021年度、「アクアパック」「マリックスAX」といった独自原反の拡販に力を入れる。1月に立ち上げたプロジェクトによる取り組みを通じてアフターコロナをにらんだ成長戦略の策定を急ぐ。

 新型コロナウイルス禍で20年度は苦戦を強いられたものの、スパンボンドでは自動車向けの販売が下半期から回復へと転じ、米国や中国向けも復調したという。

 一方、コットンスパンレース「コットエース」はインバウンド需要に少なからず依存していたこともあって、「いまだ曇り空が続いている」(吉村哲也上席執行役員機能繊維事業副本部長兼不織布事業部長)と回復にはなお時間を要すると見通している。

 新型コロナ禍収束後、市場は新型コロナ前の状態には戻らないと見通しており、新型コロナ後に再び成長軌道に戻すため今年1月、部門内の精鋭を集めたプロジェクトに着手し、新型コロナ後をにらんだ成長戦略の検討に入った。

 この間、コンクリート養生用の湿潤養生シート「アクアパック」、表面を樹脂で加工した硬い板状の「マリックスAX」シリーズ、太い糸で商品化したフィルター用の「ディラ」といったスパンボンドの高機能原反を相次いで発売してきた。

 今後も、これらに続く高機能品の開発に重点化するとともに、生産工場におけるコストダウンや経費節減などを通じ定番品のゾーンの競争力強化に取り組む。

 コットエースでは、衛材メーカーとの共同開発による新企画向けの販売が21年度も数多く立ち上がってくる。今後も原料やシート、加工の改質を進めるとともに、顧客との話し合いを通じパッケージにおける見せ方の工夫などを通じ「早急に回復基調へと転換させたい」考えだ。

 タイの拠点タスコでは、欧米ユーザーからの要望が強まっているという再生ポリエステルによる原反開発に取り組んでいる。PLA「テラマック」とともに環境配慮型の原反として打ち出していく。