三菱ケミカル/CMC材料を開発/軽量・剛性・成形加工性が特徴

2021年07月20日 (火曜日)

 三菱ケミカルはこのほど軽量性や剛性と成形加工性を兼ね備えたセラミックマトリックスコンポジット(CMC)材料を開発した。

 環境負荷低減のための軽量化が求められるモビリティー用途や軽量化に加えて工程効率化への対応を求められる産業用機械用途などでは軽さと強度を兼ね備える炭素繊維関連部材の採用が進んでいる。

 一方、耐熱性が必要な部材で、加工性やコスト面での課題があるためまだ十分に普及しているとはいえず、主に比較的、高価なセラミック材が使われている。

 炭素繊維と金属材料を組み合わせた同社のCMC材料には高剛性、高耐熱性、高熱伝導率、軽量性、耐摩耗性、低発塵(じん)性といった特徴があり、モビリティーのブレーキ材料、産業機械部品に使われてきた。今回の開発品はこれらの特徴を持ったまま、高い成形加工性とそれに伴う低コスト化を実現した。

 既に複数の顧客へのサンプルワークに取り組んでおり、今後は従来の用途に加え、産業機械などのブレーキ材料、耐熱部材といった新規用途の開拓に力を入れる。