クラボウ「エアーフレイク」/フィルパワー850を実現/原糸は帝人フロンティアが開発

2021年07月21日 (水曜日)

 クラボウはこのほど、羽毛の軽さ、保温性、かさ高性を人工的に再現した中わた材「エアーフレイク」の新タイプとして従来品を超える軽量性・かさ高性を実現した「エアーフレイクプレミアムライト」を開発した。再生ポリエステルを原料としながら、中わた材のかさ高性の単位であるフィルパワー(FP)でFP850を実現。原料となる専用ポリエステル長繊維は帝人フロンティアが開発した。

 FPは羽毛など中わた材1オンス当たりの体積でかさ高性を表現する単位。例えばFP700は1オンス当たり700立方インチの体積に膨らむことを意味する。ダウンの場合、FP700以上で高品質品とされることから、エアーフレイクプレミアムライトが実現したFP850は高品質ダウンに並ぶ軽量性・かさ高性を実現したことになる。

 エアーフレイクは2008年に販売を開始し、17年から帝人フロンティアと連携して原料を再生ポリエステルに切り替えることでサステイナビリティーを高めてきた。19年には再生ポリエステル使いでありながらFP730を実現。こうした実績を生かし、エアーフレイクプレミアムライトの開発に取り組んだ。

 今回も原料となる再生ポリエステル長繊維の開発を帝人フロンティアが担った。中空ポリエステル糸の単糸繊度を従来の半分である約3デシテックスまで細繊度化し、中空率も約40%まで高めた。再生ポリエステルでこれだけの細繊度化と中空率を実現するのは極めて難易度が高い。エアーフレイクに加工するための条件もクラボウと帝人フロンティアで共同開発している。

 クラボウはエアーフレイクプレミアムライトで高品質ダウンに並ぶFPを実現したことを生かし、水に強いなど従来からの特徴と合わせて羽毛代替として高級中わた衣料や掛けふとん用途などへ提案を進める。