島精機製作所/WG機は差別化を重視/アパレル用以外も拡大

2021年07月28日 (水曜日)

 島精機製作所は、ホールガーメント横編み機(WG)のさらなる進化と、デザインシステムなどと絡めたソリューションビジネスの強化を図る。このほど披露した次世代機では、生産性の向上と編みバリエーションの拡充を図っており、今後はアパレル以外の用途を含めて拡大を狙う。

 4月からスタートした新中期3カ年計画では、「ホールガーメントの最強化」「ソリューションビジネスへの業態変換」などを重点方針に掲げ、同社は成型機中心からWG中心の事業構造に転換する方針を打ち出している。

 WGの最強化に向けては、6月に上海で開かれた「ITMAアジア+CITME2020」で新機種「SWG―XR」を特定の顧客向けに披露した。WGの次世代機で、生産性の向上とともに編み立てのバリエーションを広げている。編める生地の幅を広げることで、非アパレル分野の拡大にもつなげる。現時点ではプロト機で、今後さらに改良を進めていく。

 WG機の進化を重視する背景には、中国メーカーの参入で競合が激化していることがあり、先のITMAアジアでは7~8社がWG機を出品していたという。今後は「中国メーカーとの差別化がポイントになる」とし、これまでに積み上げてきたノウハウや2700件を超える特許を活用して技術開発を加速する。

 糸の検索サイト「ヤーンバンク」やデザインシステムと、WG機を絡めたソリューションビジネスも強化する。サンプル作成の省略などサステイナブルなモノ作りを提案していくとともに、WG機単体でなく、トータル提案で差別化を図る。

 販売は昨年4~5月を底に秋ごろから回復に向かっている。今後は内需が伸びている中国などを重点市場に位置付けて拡販を狙う。