帝人「コーネックス・ネオ」/レーシングスーツに採用/電気自動車のレースで

2021年08月10日 (火曜日)

 帝人が展開するメタ系アラミド「コーネックス・ネオ」が電気自動車のフォーミュラーカーレース「ABB FIA フォーミュラE世界選手権」に参戦する英国の「エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング」(EVR)のレーシングスーツに採用された。14日開催のベルリン大会から着用される。コーネックス・ネオがレーシングスーツに使われるのは初めて。

 帝人グループは2020年よりEVRへの支援を続ける中、次世代の自動車に求められる軽量・高強度でデザイン性に優れる部品や安全性に貢献する製品の開発に向けた技術や知見を追求している。

 このような取り組みを進める中、400℃超の耐熱性をもち防炎性にも優れる「コーネックス」、世界的に難しいとされる安定した高い染色性を持つコーネックス・ネオがレーシングスーツ向けで高い評価を受け、このたび後者が採用されることとなった。

 テイジン・アラミド(オランダ・アーネム市)とモータースポーツ用品メーカーのOMPレーシング(イタリア・ジェノバ市)が共同開発したもので、外層にコーネックス・ネオによる超軽量生地を使用。従来、EVRが着用していたスーツよりも10%軽い。

 コーネックス・ネオは生産プロセスにおける化学物質排出やエネルギー消費を削減し欧州の化学物質管理における法規制であるREACHをクリアしていることから、EVRがチームのミッションとして掲げる“地球温暖化に挑むレース”にも合致する。