繊維ニュース

特集 安心・安全(5)/防炎難燃/安全への意識高まる

2021年08月10日 (火曜日)

〈アウトドア用途にも拡大/クラボウ〉

 クラボウの防炎生地「ブレバノ」の販売が順調に拡大している。主力の作業服用途に加えて、アウトドア用途でも採用が始まった。

 ブレバノは難燃性のアクリル系繊維を綿に混紡したもの。現在は制電性を付与した「ブレバノプラス」、国際標準規格「ISO11612」と米国の防炎性規格「NFPA2112」に対応した「ブレバノネクスト」、エコマーク対応の「ブレバノエコ」をラインアップする。

 2020年度も販売数量は堅調に増加しており、特に作業服用途が安定している。特に電気・ガス・石油などエネルギー関連業種のユニフォームや食品関連商品で引き合いが旺盛。需要が拡大する電動ファン付きウエア向けでも採用実績が増える。

 ワークウエア以外でも、アウトドア用途で採用も始まった。近年、アウトドアがブームとなっているが、キャンプでたき木の火の粉によるウエアへのダメージを防ぐ素材としてブレバノへの注目が高まっている。

 同社ではさらなるバリエーションの拡大を進める。10月20~22日に開催するユニフォーム素材展示会で新タイプの披露を予定している。

〈海外市場で販売拡大/ダイワボウレーヨン〉

 ダイワボウレーヨンのシリカ系防炎剤練り込みの防炎レーヨン短繊維「FRコロナ」シリーズ、リン系難燃剤練り込みの難燃レーヨン短繊維「DFG」が好調な販売となっている。ともに海外での販売が拡大した。

 FRコロナは練り込んだシリカ系防炎剤が骨格となり燃焼時に穴が開かないため、炎に対する高いバリア性を持つ。海外を中心にベッドマットのウレタンを包む防炎材として豊富な実績を持ち、現在は紡績可能な「FRL」の採用が拡大した。

 今年に入ってから米国の一部の州でマットレスでのアンチモン規制が強化された。アンチモンを含む防炎剤を使った防炎素材からシリカ系防炎剤を使うFRLへの置き換えが進み、需要が拡大する。抗かびや抗菌といった機能加工を施せることでも評価が高い。

 一方、DFGも海外での販売が拡大している。DFGは欧州メーカーの難燃レーヨンと競合関係にあるが、アジア地域の需要家がBCP(事業継続計画)の観点から調達を分散する傾向が強まり、その需要を取り込むことに成功した。アジア地域では労働現場での安全性への意識も急速に高まっており、難燃性の防護作業服のニーズも高まる。

 民需だけでなく海外の官需でも安全保障分野で採用が拡大するなど、DFGの存在感が高まる。

〈綿100%で環境配慮も/大和紡績〉

 大和紡績は、難燃加工「プロバン」を施した綿100%難燃生地「ボディバリア」を快適性と環境配慮を両立した難燃素材として打ち出す。

 ボディバリアは綿100%生地への後加工のため綿の風合いや吸湿性への評価が高い。採用されているプロバン加工はノンハロゲンの難燃加工のため燃焼時や焼却処分時の有害物質の発生を抑えることができる。綿100%のため生分解性もあることから、環境にも配慮した難燃素材となる。

 作業服や溶接作業時に着用する工業用エプロンなどで安定的に採用されている。市場が拡大している電動ファン付き作業服にも採用されるなど新しい分野にも広がってきた。ファッション性が求められる店頭販売の作業服への提案のためにデニム調なども用意する。

 引き続きエネルギー関連業種の作業服や防炎難燃アイテム向けを中心に提案を進める。事業者の多い関東地区のスタッフ増員で営業活動も強化した。さらに防炎製品分野でもサステイナビリティーへの要望が高まるとみており、綿100%の特徴である生分解性も打ち出す。