繊維ニュース

特集 安心・安全(6)/検査機関

2021年08月10日 (火曜日)

〈カケン/防護服などの試験依頼増加/企業の意識の高まり支える〉

 カケンテストセンター(カケン)は、安心・安全に関する多様な試験・検査を行っている。多くの試験依頼が入るが、目立つのは新型コロナウイルス禍などで需要が拡大した防護服関連や日本産業規格(JIS)が制定されたマスクだ。安心や安全に対する企業の意識は高まっており、カケンも積極的に応えている。

 防護服には化学系とバイオ系の二つが存在するが、いずれも試験依頼が増えている。化学系防護服は工場などで使用されるケースが多く、強度や液体浸透圧力、液体浸透反発に関する試験が行われる。メディカル関連などで使われるバイオ系は人工血液バリア性とウイルスバリア性が必須の試験だ。

 一般的に防護服の試験は完成品だけでなく、使用されている材料、縫い目で行われるが、これをトータルで対応できるのは国内の検査機関ではカケンだけ。防護服関連は、新規参入を図っている企業も多く、問い合わせや試験依頼は後を絶たないが、合格率は比較的高いという。

 マスクについてもJIS適合の試験依頼は1日に十数件ある。現状は不織布製マスクが中心だが、「布製(織り、編み)やウレタンマスクの依頼も入っている」。大阪事業所生物ラボと東京事業所バイオラボの二つの拠点で実施できるため、納期は7営業日で対応が可能としている。

〈QTEC/SGマーク認証試験実施/キャンプ用のテントで〉

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、キャンプ用テント(宿泊テント)のSGマーク認証試験を行っている。耐降雨性やフレーム曲げ強さなどの試験が設けられ、適合したと認められるとSGマークの認証が得られる。テントの安全性や品質の向上につながると期待されている。

 試験は製品安全協会(CPSA)が従来の基準を改正して今年6月1日付で運用を始めたSG基準に基づく。国際基準(ISO)との整合性を図りつつ、日本での使用環境に即して定められ、QTECも専門部会のメンバーとして基準改正作業を支援してきた。

 従来基準は20年以上前に作られ、テントの進化(生地や規格)に合致していなかった。今回「軽量テントの重量」「収容人数に対する寸法」「耐降雨性試験の水圧の見直しと試験方法の追加」「生地の耐水圧」などが改正され、現状に即した内容にアップデートされた。

 例えば耐降雨性では1時間60ミリという降水量でも漏水しないことが求められる。耐降雨性試験は大規模な設備が必要(QTECは外部の試験機関にて実施)で、自社でできない企業からの問い合わせも多い。他の試験を含めて認証試験にかかる時間は約1カ月。

 SGマークはテントの安全性、品質の基準になり、メーカーのほか、リテーラーの注目も集めそうだ。