新内外綿/環境に貢献する糸が充実/パイン、葦、竹繊維も
2021年09月01日 (水曜日)
シキボウグループの新内外綿が廃棄物の削減を始めとする、持続可能な環境に貢献する商材の品ぞろえを増やしている。
2020年から取引先への提案を始めた廃棄繊維を糸にリサイクルするシステム「彩生(さいせい)」は、アパレル業界の環境意識の高まりを追い風に着実に取り組み先を増やしている。
彩生は縫製工場などから出る裁断くず、使われず余剰となった生地、不要となった製品を回収し、反毛した上で、新たな原料を混ぜて再び糸にするというもの。システムの始動から2年足らずで編み地や織物製造業、商社、アパレルを中心に取り組み先を広げ、国内の著名アパレルブランドやセレクトショップのオリジナル商品にもこの糸が使われている。
植物由来の天然繊維と言えば綿、麻がその代表格だが、パイナップル、葦(よし)、竹、バナナといった植物に由来する糸も扱う。環境への優しさが付加価値とされる今、こうした異色の植物繊維も、一味違った糸として打ち出しを強める。綿混でカジュアル衣料用の糸として提案する。
杢(もく)糸を主力とする綿紡績として知られる同社だが、リサイクルポリエステル・ナイロンでも新たな商材をパートナー企業と組んで開発している。海洋汚染の防止に焦点を当てた糸で10月開催の「北陸ヤーンフェア」で初披露する予定だ。