ベトナム/社会隔離の長期化で/物価適正管理に影響も

2021年09月09日 (木曜日)

 ベトナムで新型コロナウイルスの感染防止対策として実施されている社会隔離の長期化が、2022年のインフレ率の適正管理に大きな影響を与えるとの見方が、エコノミストの間で出ている。

 ベトナム・ニュース(VNS)によると、ベトナム統計総局(GSO)元局長のグエン・ビック・ラム氏は、4月下旬に発生した新型コロナの第4波に伴うロックダウン(都市封鎖)で、実家に帰省した労働者が増えたため、人材不足で採用コストが上昇していると指摘する。多くの企業が対応している従業員の「労・食・住」の職場集約(工場隔離)も、長期化すると費用がかさむことから持続的ではないとの声が上がっている。

 一方でホーチミン市労働・傷病軍人・社会事業局傘下の求人予想・労働市場情報センター(FALMI)は、今年末までに15万人分の求人が出るとみている。コロナ禍でもITや製薬、繊維、製靴業界ではさらなる労働者が必要になるためだという。

 ベトナム経済はグローバル経済に深く組み込まれているため、世界の需要や原料価格、為替市場の影響を大きく受ける。GSOによると、動物飼料、プラスチック、紡織用繊維、青果物といった原料価格が上昇している。

 ベトナムでは一般的に原料価格が1%上昇すると、製品価格が2・06%上がるといわれる。エコノミストらは政府がインフレ率の上昇を抑えるためには製造業の労働者や自営業者を対象としたワクチンの大規模接種を実施し、生産体制の正常化を急ぐ必要があると警鐘を鳴らしている。

[NNA]