私が見たパリの服事情 (9)

2021年09月10日 (金曜日)

 【パリ=龍山千里通信員】ファッション業界や美容業界で近年、日本の漫画やアニメとのコラボレーション商品をよく目にする。今年はロエベ×トトロやグッチ×ドラえもんなどのコラボレーションも話題となった。筆者自身、ロンシャン×ポケモンのかばんをフランス人の知人から昨年譲られ、全面ピカチュウ柄に内心驚きつつ、懐かしさも感じた。

 フランスは隣国のイタリアと並んでアニメや漫画好きの国。中でも特筆すべきは日本のサブカルチャー文化の浸透が若者に限らず、その親世代から始まっている点だ。

 1970年代から日本のアニメはフランスに輸入され始めた。人気に火を付けたのは「クラブ・ドロテ」という当時の子供向けテレビ番組。そこでさまざまなアニメが放送されて以来、フランスで絶大な支持を集め始めた。テレビというマスメディアを通してアニメファンになった世代をクラブ・ドロテ世代というらしい。

 意外に思うかもしれないがドラえもんは、フランスではほとんど知られていない。国によって人気のある作品や、作品の輸出時期が異なるので、国際的にビジネス展開する時は重要なポイントとなる。

 キャラクターとのコラボレーションを通して、ブランドはその作品の世界観を享受することができ、作品自体のファンという新しい層にもアプローチする機会を得る。そこには互いのクリエーションへのリスペクトや相性が不可欠だが、今後は日本のブランドもサブカルチャーとのコラボレーションを通じて世界を横断してほしい。

(毎月1回掲載)