インドネシアの日清紡グループ/中東・欧米市場に拡販へ/環境と健康を付加価値に

2021年09月14日 (火曜日)

 インドネシアの日清紡グループは日本以外の海外市場に向けた生地の拡販に力を入れる。中東の民族衣装用生地や欧米のシャツ地市場をターゲットにする。環境と健康をテーマにした機能や特徴を強みに商機を増やす。

 同国の日清紡グループの主力はシャツ地やユニフォーム地の生産。売上高の8割程度を日本向けで構成し、これまで海外マーケットを伸び代と定め、販路開拓に力を入れてきた。しかし、新型コロナウイルス禍により世界的な衣料品需要の低迷を受け、昨年から苦戦を強いられている。環境と健康という付加価値を強みに再度、海外への攻勢をかける。

 環境では糊剤(こざい)を使わずに短繊維織物を高速製織する技術「無糊製織」による織物の提案を強める。この技術は従来の製織より省エネを実現し、排水処理時の環境負荷も大幅に減らすことができる。昨年、紡織子会社のニカワ・テキスタイルインダストリーのユニフォーム地の生産工程で導入した。さまざまな織物にこの技術を応用し環境に貢献する商材として売り込む。

 再生糸を使った商材の開発も進める。シャツ製品や裁断後の端材を再び原料に糸や生地を作り、環境に貢献する商材として販売する構想がある。

 染色加工子会社、日清紡インドネシアでは水を使わない無水染色による環境負荷の低減が期待できる。得意とする形態安定加工も現地から海外市場向けの提案を強める。生地にシワが入りにくくする加工は、消費者のアイロンがけの回数を大幅に減らせる。この間接的な電力消費の抑制につながり、省エネを進める副次的な機能としてアピールする。

 日清紡グループのインドネシア法人はニカワ・テキスタイルインダストリー、織布・染色加工の日清紡インドネシア、縫製のナイガイシャツインドネシアの3社で構成する。水や糊(のり)を使わない、環境を考えた工程の導入を積極的に進めることで、それぞれの工場自体の環境への取り組みとして対外的に発信を強める。

 近年、新疆綿問題などをはじめ欧米市場を中心に、製品の原料や生産工程にまで人権や環境への対応が求められるケースが増えている。