ごえんぼう

2021年09月16日 (木曜日)

 かつて、生地の表面に波模様があることはカシミヤ100%の証だったそうだ。ウールと異なりカシミヤ生地には自然に波模様ができる。それを「アザミ起毛」と呼ぶ方法で強調するのが一般的だった▼ただ、同起毛を施すにはある程度肉厚でないといけない。軽量化の流れの中で肉厚生地が敬遠されるようになり、同起毛を行う工場も数社に減ったそうだ▼しかし、波模様には今も根強いファンがいる。なんとか技術を残してほしいが、数社に減ったうちの1社、藤井若宮整絨(大阪府泉大津市)によると、アザミを起毛用に供給する業者がいなくなった▼アザミ起毛というのは通称で、実際にはチーゼルという植物の実を用いる。それによる起毛は欧州で開発され、日本に伝わり、中国でも行われるようになった。中国では今もチーゼルが供給されているはず。それを調達してでも、カシミヤ100%の証を描く技術を残してほしい。