両角みのりのイタリアモードの今(37)

2021年09月16日 (木曜日)

オンラインを超える可能性 

 7~9日、イタリア・コモ湖畔のチェルノッビオ市にあるヴィッラ・エルバ会場をメインに、家具とカーテン生地の見本市「プロポステ」が開かれた。国内外60社(国内27社、海外33社)が出展した。

 代表のヴィガノ氏は「このセクターの世界市場にポジティブさと継続性を示したいと考えている。世界中で実施されている新型コロナウイルスワクチンキャンペーンのおかげで国際的な移動が可能になり、安心してイタリアを訪問しビジネスの遂行が保障された。ミラノで行われるサローネ国際家具見本市と日程を合わせたことで、1回の旅行、しかも短い日程で、二つのイベントを同時に訪問できると考えている」と述べた。各空港やミラノ市内、サローネ会場とのシャトルバスを充実させて開催した。

 乗車前のグリーンパス(ワクチンパスポート)提示や検温、除菌ジェルの使用を義務付けることでより安心して展示会に参加できるよう配慮した。

 マルゾットグループに入ったレダエリは1893年創業のベルベット製造企業で、欧州のリーダー格。同じグループで1964年創業の家具用ベルベットとジャカード生地製造、プロセテックスと一緒に「タッチ」コレクションを発表した。オンラインでは得られないテキスタイルとテクスチャーに触感の喜びと具体性を持たせた、想像力とエネルギーあふれるものだった。

 ベルガモのテックイタルでは、難燃性の「トレヴィラ」とアウトドア用生地が特に目を引いた。耐光性を最大限に保証するインダンスレン染料を使用した先染めの素材を使用している。

 リモンタは世界中のラグジュアリーブランドに愛されるテキスタイルメーカー。1893年コモ湖の対岸レッコ県で創業、タペストリーに特化したメーカーだったが、1978年にプラダのバッグ地に採用され有名になった。高密度のナイロン生地や、まるでコットンのようなナイロン生地など発色と光沢が自慢の美しい生地作りを得意としている。同社のインテリア部門が出展。「地球にコミット」をテーマにエコフレンドリーな生地をそろえた。長いテーブルに着物用生地のようにまるめられた生地を置くだけのシンプルな展示が目を引いた。

 ラッティグループの一部門であるラッティ・ドムスは高い技術のプリントやジャカード生地でその実力とデザインの多様性を見せた。

 現状では感染拡大の不安が全く取り除かれたとは言えないが、皆が展示会の開催を祝い、クライアントとの再会を喜んでいた。

もろずみ・みのり 2003年よりイタリアに渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。