東洋紡テキスタイル〈マレーシア〉/人員増で供給力維持/ロックダウン下で操業規制続く

2021年09月22日 (水曜日)

 東洋紡グループのマレーシア紡織会社、東洋紡テキスタイル〈マレーシア〉(ペラ州クアラカンサー)は、新型コロナウイルス禍による操業制限が続く状況下で、稼働維持に全力を挙げている。感染防止対策を徹底しながら人員を増やすことで生産能力の維持に努める。

 マレーシアでは5月から変異株による新型コロナ感染が急増。同25日から製造業に対して出社人数が80%に制限され、さらに6月1日からはロックダウン(都市封鎖)が続いている。東洋紡テキスタイル〈マレーシア〉も約1カ月間の操業停止を余儀なくされた。このため同社の2021年度上半期(4~9月)の生産量は当初計画から約10%減少し、売上高も前年同期比約30%減となった。

 同社が生産する綿やウール、合繊の紡績糸と織物は日本のグループ会社向けが大半だが、ロックダウン下で出社制限も続いていることから、需要に対して供給力が不足する状態となっている。下半期は社内での感染対策に万全を期しながら、操業継続による供給力の維持が最大の課題となる。新規採用を進めるなど人員を増やし、時間外操業を従業員の負担が少ない形で実施することで生産性を最大限に確保することに取り組む。

 世界的なコンテナ不足や、感染者増加による現地企業の操業度低下や停止が発生していることから、原材料や資材などの調達にも遅れが生じている。このため取引物流会社を増やし、調達先も多元化する必要があるとする。

 新型コロナ禍の影響は今後数年間は続き、需要も短期での回復は難しいと見る。需要に合わせた固定費削減や生産コストの削減に取り組み、各種助成金なども活用しながら生産品種の高付加価値化に取り組む。