LIVING-BIZ vol.71(5)
2021年06月16日 (水曜日)
〈龍宮/新工場を稼働/年産能力1.2倍に〉
寝具製造卸の龍宮(福岡県うきは市)は5月、新工場(同)を稼働した。キルティングを含めた縫製部分を拡充し、年産能力を従来比1・2倍の12万枚に高める。
同社は、医療用純度のガーゼと脱脂綿を使った寝具などの「パシーマ」シリーズが主力商品。2020年は新型コロナウイルス禍で、免疫力を高めるために良質の睡眠が求められる傾向があり、同社に追い風となった。
しかし、生産が追い付かず「十分な供給ができないまま推移」(梯恒三社長)し、供給体制の整備を課題に挙げていた。ネック工程の補強や、数年先を考えて設備を拡充する取り組みの一環として新工場を設けた。
新工場の敷地面積は約3千平方メートル、床面積は約1千平方メートル。本社工場から新工場にキルティングや裁断、縫製、検品工程を移して拡充した。織機や混打綿設備、製綿設備、精錬・染色・乾燥設備は本社工場に引き続き置く。
パシーマは、汗の吸・放湿が早く夏は冷感があることや、家庭洗濯が手軽にでき乾きも速い点などの特徴を持つ。東邦大、奈良女子大と共同での睡眠実験で、パシーマが通常の寝具と比べて寝付きがよいこと、リラックスして眠れる点に有意差があるデータを得ている。日本寝具寝装品協会(JBA)が評価する「ヘルスケア認定寝具」の認定も受けている。
〈フレスコ/オンライン勉強会開始/ユーザー向け説明動画も〉
ふとんの丸洗い事業を全国展開しているフレスコ(大阪市中央区)は、取引先のダスキン向けにオンライン勉強会を始めた。新型コロナウイルス禍で以前行っていた対面での勉強会が難しくなったことからオンラインで対応する。
本社にパソコン、カメラ、マイクを置いたブースを設け、リアルタイムで配信する。進行の台本も作り、丸洗いの必要性や各工程のポイントなどを紹介。チャットで質問を受け付けて口頭で答える方法も採用した。
従来の勉強会は現地で1時間~1時間半かけて行っていたが、オンラインでは30分に圧縮。短時間でポイントを伝えるように工夫する。
ネット経由の受注が増えていることから、エンドユーザー向けの動画も作成。ふとん袋に梱包(こんぽう)する方法などを紹介して利用促進を図る。
〈山甚物産/新社長に山本健一郎副社長〉
山甚物産の代表取締役社長に、山本健一郎代表取締役副社長が4月26日付で就任した。山本多加生社長は同日付で代表取締役会長に就任した。
やまもと・けんいちろう 2007年3月青山学院大経営学部経営学科卒、同年同月トーメンエレクトロニクス入社(17年4月の合併に伴いネクスティエレクトロニクス)。18年2月山甚物産入社、同年8月同社取締役統括事業本部長、同年12月同社代表取締役副社長。37歳。
〈「ジャパンテックス2021」/オンラインとリアルで商談機会拡大〉
日本インテリアファブリックス協会(NIF)は、インテリア国際見本市「第40回ジャパンテックス2021」を、10月から11月にかけて、オンライン展示会とリアル展示会のハイブリット型で開き、商談機会を広げる。
昨年は新型コロナウイルス禍で開催を見送った。今年は「ジャパンテックス・ウィル・ビー・リボーン!!」をテーマに実施。インテリアフロア工業会と統合し、7月に「日本インテリア協会」となる“新生NIF”初の開催でもある。オンライン展は10月20~22日。リアル展は11月17~19日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開く。
オンライン展のプラットフォームには「ミーツ×ミーツ」を採用。動画やセミナーなども駆使しながら対面で話せる。来場者データが自動取得でき、特定の業種や役職に絞ったリアル展への招待状送付、会期後のフォローも可能だという。リアル展では新たにSDGs(持続可能な開発目標)ゾーンを設ける。
現在出展者を募集中で、早割申込期限は25日。オンラインとリアルの両方に出展する場合、オンライン出展料の半額相当を値引きする。オンラインでの反応を見てリアル展の内容を修正する、2カ月間にわたる長期プロモーションが可能など、相乗効果も見込まれる。
〈西川/21年1月期減収〉
西川の2021年1月期単体決算は、売上高567億円(前期比11・3%減)だった。
健康敷ふとんやオーダー枕の売れ行きが好調だったほか、オンラインショップでマットレスの売り上げが前年同月比2倍以上になる月もあったが、卸先の百貨店の休業などが響いた。
〈ボーケン品質評価機構/顧客ニーズに柔軟対応/衛生・清潔試験体制拡充〉
ボーケン品質評価機構の生活産業資材事業本部は、充実した設備を生かし、顧客のニーズに合わせて試験や評価方法をカスタマイズして対応する。
生活産業資材事業本部が扱うアイテムは、服飾雑貨(靴、かばん、傘、ベルト)、家具(椅子や机、収納家具、ベッド)、日用品(寝具やプラスチック製台所用品)など多岐にわたる。国内では東京、大阪、岡山の3拠点を設ける。東京、大阪の寝具品ではベッド、マットレスなどの品質試験を行う。
各アイテムに義務付けられている家庭用品品質表示法に沿って、ウレタンマットレスの硬さや復元率を求める試験などに対応する。一方で生活用品分野は、JIS規格などの試験規格がないアイテムも多いことから、顧客の用途やニーズに合わせて試験や評価方法をカスタマイズして提案する。
さらに寝心地や快適な眠りなど感覚的な指標を客観的に評価してほしいとの要望が増えているため、生地状態だけはなく、実使用に近い状態での製品評価に対応。温度や湿度をコントロールできる設備を生かし、使用環境を想定した評価も手掛ける。体圧分散性試験ではマットレス、クッション、枕などを対象とし、寝た際に体の部位ごとにかかる圧力を色調で表示して評価ができ、介護分野でも注目されている。
安全性の確認試験では、ベッドやマットレスの強度試験や耐久性試験などの各規格(JIS、SG)や寝装品の側地などの燃焼性も実施している。ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)の評価では、最終製品を用いて実際の居住環境を想定した評価もできる。
新型コロナウイルス禍で、衛生・清潔に関するニーズはさらに高まっており、抗菌、抗ウイルス、消臭、防ダニの問い合わせや試験依頼も増加傾向にある。社会的な需要の高まりに対応するため、抗菌性試験を担う東京微生物試験センターを4月に増床して試験能力を従来の5倍以上に高めた。抗菌性試験のほか抗ウイルス性試験も担う大阪微生物試験センターも昨年10月に増床した。中国の上海微生物試験センターでも抗菌性試験を実施しており、3極体制で試験需要に応える。
同機構は試験業務だけでなく、アドバイス業務を含めた品質サポートにも取り組む。企画、生産、流通、販売、消費などさまざまな場面に携わり、品質保証するパートナーとして支援する。
〈market conditions/5月のチェーンストア前年並み/19年比では大幅減収〉
21年5月のチェーンストアの寝具売り上げは、前年同月並みから微増だった。20年5月も新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響で19年5月と比べて大きく落ち込んでおり、2年連続で厳しさがあった。
寝具製造卸によると、チェーンストアの寝具売り上げは19年5月比で30%程度の減収。前年5月は緊急事態宣言が中旬から順次解除されて同月最終週に2桁%伸ばしたGMSもあったが、今年は緊急事態宣言が6月20日まで延長され、市場環境は良くない。
ニトリの5月度(4月21日~5月20日)の既存店売上高は前年同月度比3.5%減、全店は0.7%減だった。気温の上昇に伴って季節商品の寝具寝装品が売れ、通販事業も好調だったものの、緊急事態宣言などで一部店舗の営業時間短縮と最大28店を臨時休業したことが響いた。
ファッションセンターしまむらの5月度(同)の既存店売上高は前年同月度比31.2%増。20年5月度の既存店売上高が前年同月度比23.4%減と落ち込んだことが大幅増に影響した。寝具は前年同月並みだが、同月中旬から上向く。
百貨店も前年同月は上回ったものの、19年5月比では大きく下回った。
21春夏の季節商品は、20春夏の持ち越し在庫を抱える中で生産計画数を抑えているものの、一部小売りを除いて販売不振で在庫過多の状況になっている。6月も緊急事態宣言が続いており、厳しさが続く恐れがある。




