明日へ 縫製編 (28) ゴトーホーセー

2021年09月24日 (金曜日)

貪欲に技術習得、教育に活用

 ゴトーホーセー(岐阜県関市)は難度の高い婦人フォーマルの縫製で培った技術力を強みとし、顧客から高い評価を得ている。特に新人教育に力を入れており、そのため後藤尚之代表(61)自身も講習会へ参加するなど貪欲に技術の習得に努めている。

 1971年に後藤代表の両親が創業した。当初はアロハシャツをはじめとした比較的縫製が容易な衣料品を手掛けていた。両親から仕事を手伝ってほしいと言われ、後藤代表は28歳の時に事務関係の仕事を辞め同社へ入社。2011年、両親の高齢化により現職に就任した。

 フォーマルを手掛けるようになったのは06年ごろから。徐々にシャツなどの縫製が海外へ移行し仕事量が減少してきたためフォーマルを少しずつ増やしてきた。新型コロナウイルス禍による冠婚葬祭の減少でフォーマルの需要は落ち込んだが、以前までは全体の8割を占めた。

 フォーマルは薄手の生地が多いだけでなくさまざまな工程があるため、「縫い方一つで出来が大きく異なる」(後藤代表)。シワやアタリがでないようにミシンやアイロンでは細心の注意を払う。「いろいろなテクニックを駆使して奇麗ですっきりとしたシルエットに仕上げている」

 そのため特に力を入れるのが教育だ。従業員にはミシンの調整の仕方から、アイロンの掛け方まで縫製の基本を徹底的に教え込む。「縫製は一生懸命やれば奇麗に縫えるというものではない。糸や生地、ミシンの特徴をきちんと頭に入れて縫うことが大事」と語る。

 後藤代表自身は入社直後からさまざまな講習会や勉強会に参加して新たな技術や知識の習得に励んできた。そうした講習会などでは東京のトレンドを反映したカリキュラムになることも多いため、「新しい注文が来ても、どうやって縫うかで悩まずに済むようになった」。

 フォーマルで培った技術に加えて貪欲に学ぶ姿勢があるため、顧客からの信頼は大きい。「お客さんからしたら縫製の理屈が分かっている上にきちんとモノ作りもしてくれる縫製工場だと思われている」と分析する。フォーマル以外にもユニフォームやドレス、ジャケット、コートなどの注文もある。

 全国的に学生服のブレザー化が進んでいるため、今後は学生服が生産できる体制を整える。「同じものを確実に作れるような安定したモノ作りを続ける」と意気込む。もちろん、制服を縫製する上での知識習得も欠かさない。「素材を知った上でどう料理するか。だから縫製は面白い」

(毎週金曜日に掲載)

本社:岐阜県関市小屋名559-37

代表者:後藤 尚之

主要生産品目:婦人フォーマル(織物製)

従業員:5人