ごえんぼう

2021年09月27日 (月曜日)

 中国で今、いろいろな意味で重要な言葉は「共同富裕(ともに豊かになる)」だろう。恒大危機の背景でもある▼社会主義を掲げる中国に市場経済を導入し、経済成長を目指した鄧小平は、先になれる地域や人から豊かになれと「先富論」を唱えた。その結果、ややゆとりのある「小康社会」は実現したが、格差も広がった。富裕層の上位1%が富の3割を所有しているという▼「先富論」には続きがあった。先に豊かになった者は遅れた者を助け、みんなで豊かになろうと。「共同富裕」そのものだが、昨今の“助け”方は独特。IT大手を締め付け、巨額の寄付をさせる。有名芸能人を脱税で摘発し、罰金を課す。狙い撃ちである▼富裕層への増税で富を再配分する策は今のところ聞こえない。なぜ一網打尽にしないのだろうか。「もうけの実態が当局にも分からない」説と「パンドラの箱が掛かってしまう」説がある。どちらもありえそう。