中国の電力供給制限/通常の5割の使用量に/日系メーカーにも影響波及

2021年09月30日 (木曜日)

 【上海支局】中国の電力供給制限の影響が、繊維業界に広がっている。合繊織物産地の江蘇省呉江の染工場は、使用量を通常の5割に抑えるよう地元政府から求められている。南通の日系メーカーにも電力制限の通達があり、交渉が続いている。

 呉江で生機製造販売を手掛ける蘇州新金晟紡織は、地元政府の要請を受け、20日から7月の電力使用量の5割に抑えている。電力制限が長引くことを想定し、「発電機の導入も検討する」と徐慎董事長は話す。

 同地区では、27日に地元政府と染工場の間で話し合いが持たれ、「8月の電力使用量の半分で稼働できることになった」(日系メーカー関係者)。工場は確実に電力を抑えることを求められており、これを破れば電気料金を大幅に上げられるようだ。

 東レや帝人グループが工場を置く江蘇省南通でも、地元政府が各工場に電力制限の通達を出している。「3日操業、4日停止」を求められた工場もあるようだ。「地元政府と交渉している」と日系メーカー幹部は述べる。

 新型コロナウイルス禍が深刻なASEAN地域から、中国に生産が回帰し、高稼働率が続いていた中国繊維工場だが、「注文はあっても生産できない」(前出の徐董事長)状況に陥っている。

 既に加工料の値上げの動きが見られる。「染工場から値上げを求められた。生産量が落ちることは確実なので、利益率の高い顧客から対応されそうだ」と日系商社関係者は懸念する。

 9月中旬から降って湧いた電力制限が、いつまで続くかは不明。「通常の50%の電力使用量がしばらく続くだろうが、電力需要が増す冬にさらに厳しくなるかもしれない」との声が聞かれる。