ユニフォーム最前線 担当者に聞く 2021(3) シキボウ繊維部門繊維営業部次長(衣料素材担当)兼ユニフォーム課長 橋本 康典 氏

2021年10月01日 (金曜日)

SDGsへの対応が重要

  ――2021年度上半期(4~9月)を振り返ると。

 20年度と比較すると改善が進みました。売上高は新型コロナウイルス禍前である19年度の水準近くまで回復しています。ワークウエアは、市況低迷が続いていた備蓄アパレル向けも最悪期を脱しつつあります。流通在庫の整理が進んだことが要因でしょう。企業別注ユニフォーム向けも案件数が回復傾向です。20年度は案件自体が激減していました。電動ファン(EF)付きウエア向けの販売も順調でした。

  ――特に評価の高い商品は。

 快適性につながる機能を持った生地の人気が続いています。例えば校倉(あぜくら)構造織組織による高通気生地「アゼック」や2層構造糸使い吸汗速乾生地「コンフォ」などが販売をリードしています。このため、さらに涼感性を高めるために強撚糸を使ったタイプも「クールアゼック」「クールコンフォ」として打ち出したところ、引き合いも非常に多いです。春夏向けとして次の定番商品に育てていこうと考えています。

  ――下半期に向けた戦略と課題は。

 定番的に販売できる商品をどれだけ作ることができるかが重要です。例えば人気が続いているストレッチ素材のラインアップを拡充することも必要でしょう。やはり注目が高まっている衛生加工をユニフォーム用途で活用することにも取り組みます。既に抗ウイルス加工「フルテクト」が食品白衣で引き合いがあるなど成果も出始めました。

 企業がユニフォームをSDGs(持続可能な開発目標)実現のツールに活用する動きがあります。このためユニフォーム素材でも環境配慮などSDGsへの対応が今後の柱になってくるでしょう。現在、燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない特殊ポリエステル繊維「オフコナノ」やサステイナブルな科学的農法で栽培される米綿の認証「コットンUSA」を使った商品をユニフォーム分野でも提案しており、商品化に向けた商談も進んでいます。

 一方、課題は綿花や薬剤など原材料の価格高騰による採算悪化にどう対応するか。まだ値上げを実施できるようなタイミングではないため厳しい状況が続きます。

  ――ウイズコロナでユニフォーム分野も変化するのでは。

 新型コロナ禍でグローバルサプライチェーンにほころびも生じました。このため今後、富山工場(富山市)での紡績、シキボウ江南(愛知県江南市)での染色加工など国内生産・加工の強みが生きる可能性があります。同時に海外販売の拡大に向けた活動も新型コロナ禍収束後に必要です。

 ユニフォームも店頭販売向けと企業納入向けではニーズやトレンドが分かれつつあります。例えば店頭向けを中心にカジュアル化の流れが続いています。こうした動きへの対応がますます重要になるでしょう。