中国縫製企業トップに聞く(2)蘇州天源服装 董事長 唐信宏氏

2021年10月06日 (水曜日)

自動化を着々と進める

 欧州スポーツ向け製品が主力の蘇州天源服装は2017年、米アーカンソー州のスマート工場を稼働した。その後、中国工場も含め、着々と自動化を進めている。唐信宏董事長に、自動化の進展などを聞いた。(上海支局)

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  ――17年の米アーカンソー州工場の開業は、大きな話題を集めました。その後環境が様変わりしましたが、運営状況は。

 Tシャツだけだった生産アイテムを、ポロシャツやジャケットに広げています。自動化の水準は変わっていません。Tシャツ生産はほぼ無人ですが、ミシン糸の換えなどは、やはり人が必要です。

  ――同工場は米ソフトウエアオートメーション(SA)社の無人縫製システムを使っています。

 SA社は協力企業の1社です。同社と進めるプロジェクトは、丸首Tシャツの立体縫製で最近成果を上げましたが、残念ながらそれ以外は新型コロナウイルス禍の影響で順調とは言えません。

  ――米国にスマート工場を設けた狙いは、反グローバリズムやASEAN地域での賃金上昇のリスクヘッジでした。

 (環境が)大きく変わっています。正直にお話すると、米工場の位置付けを見直しているところです。

  ――縫製の中国回帰が続いています。

 中国3工場の20年生産量は1600万着で、過去最高でした。布帛製スポーツウエアが伸びました。

  ――原料価格や人件費が上昇しています。電力不足も深刻です

 確かに物流費も含め、深刻なコスト上昇に直面しています。ただわれわれは、トヨタ生産方式で生産効率を高めており、それほど心配していません。

  ――中国工場の計画は。

 自動化に引き続き取り組みます。協力企業に助けられながら着々と進めており、業界の先頭を走っていると自負しています。特にJUKIグループに感謝しています。

 生産の“分散化”も大きなテーマです。縫製業の環境変化に対応するために必須ですし、従業員のライフワークバランスも実現できます。

 それからODM化です。既に多くの顧客との取り組みが始まっています。日本の優秀なデザイナーとも取り組みたいですね。