明石SUC/12月期売上高280億円超へ/増益の着地も視野に

2021年10月06日 (水曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニー(SUC)は、2021年12月期売上高で280億円超の着地を見込む。昨年決算月を変更してから実質1年間となる初年度であり、今春のモデルチェンジ(MC)校の獲得が寄与して「増益での着地も見えている」(河合秀文社長)。同社は中学校の比率が半数を超え、中学校中心に制服のブレザー化が加速する中、来春も新規獲得を強める。

 昨年、新型コロナウイルス禍による全国的な休校や9月入学の問題もあって、5月から12月に決算月を変更していた。前期変則7カ月決算(20年6~12月)を例外とした場合、12期連続の増収が視野に入る。スクールやスポーツで堅調に新規採用を獲得したほか、原材料などコストアップ分の価格転嫁が一定程度進んだことも寄与している。

 性的少数者(LGBTQ)への配慮でブレザー化が進む中、MCの引き合いが増加。東海などでは自治体の統一型や個々の中学校のMCも増え、同社としても獲得に向けて営業を強める。スポーツも「デサント」で新たにストレッチ性や軽量性などに優れた生地「デサントハイブリッド」で評価されるなど堅調に採用校を獲得しており、今後も拡販に向けて取り組む。

 スマートフォンの画像や手採寸の数値などを組み合わせてサイズを測定する「明石インテリジェンス採寸」(AI採寸)は、学校採寸の負担を軽減したことで高く評価され、今春100校強を獲得。来春に向けてはさらに倍増以上の新規採用が視野に入る。保護者などがネット上で数値を入力し注文まで行うため、「管理や決済業務が格段に効率化」した。

 同採寸のデータ蓄積、長年の学校採寸のデータ活用に加え、6月発表した岡山大学との人工知能(AI)を活用する研究で精度を向上させる。

 新たな企業指針に掲げたSDGs(持続可能な開発目標)では、引き続き「環境」「命」「絆」を守る活動を展開。エコ関連の活動や防災教育、性的少数者一人一人に対する心のケアや寄り添うモノ作りなどに取り組む。

 「環境」で適正在庫に向けて備蓄を削減しているように、その他各取り組みで10年にわたる数値目標を設定し、見直しをしながら取り組む。

 設備面は今年、20数年使用してきたグループウエアを一新。クラウドで管理業務が行えるように改善した。将来は基幹システムも入れ替える大規模な投資を予定。商品企画や営業に加え設備投資も強化し、成長を目指す。