中国縫製企業トップに聞く(3)/南通東潤時装 董事長 劉継東氏

2021年10月07日 (木曜日)

 日本向けを中心に手掛ける南通東潤時装は、中国沿海部で工員の採用が難しくなる中、陝西省西安や安徽省の工場での生産拡大を図る。将来的には外国人労働者の採用も検討していく。劉継東董事長に、今年の商況や今後の計画を聞いた。(上海支局)

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  ――新型コロナウイルス禍の打撃を受けるASEAN地域から中国に、縫製回帰が続いています。

 当社の中国工場も仕事が増えています。ただし、回帰現象により加工料も上がっています。加えて原料高、物流費などのコストアップもあり、利益が圧迫されています。

  ――貴社は日本向けをメインに、欧米向けや中国内販も手掛けます。受注状況は。

 それぞれ前年同期を上回っています。新型コロナ禍を背景に、世界的にネット通販ブランドが伸びており、当社の顧客も徐々にですがネット系が増えています。

  ――生産体制は。

 中国は江蘇省南通と安徽省霊璧県、陝西省西安、海外はカンボジア・プノンペンに自社工場があります。工員数は南通750人、安徽300人、西安は200人、プノンペンは2工場あり、計1600人です。

  ――新型コロナ禍が続くカンボジアの工場の現状は。

 新型コロナ禍の影響は5月がピークでした。厳しい状況でしたが、その後、従業員全員にワクチンを接種させ、定期的にPCR検査を実施するようにしました。現在は感染者が出ておらず、安定操業しています。

  ――生産能力拡大の計画は。

 新型コロナ禍でカンボジア生産が不安定になっているため、当面は中国、特に人材が採用できる内陸部の西安と安徽で規模を拡大していきます。

  ――中国では縫製工場の人材確保が難しくなっています。工員の高齢化も進んでいますね。

 はい。ですので内陸部へのシフトを続けながら、生産の自動化に取り組みます。ゼロにはできませんが、人の手に頼る部分を減らしていきます。

 外国人の採用も、将来的には検討課題になりそうです。3、4年前にカンボジア工場の従業員を中国に派遣しようと考えましたが、当局からビザ(査証)が発給されませんでした。今後の政策を注視していきます。