繊維ニュース

豊島/素材開発や販路拡大推進/DXなどの活用で異業種開拓

2021年10月08日 (金曜日)

 豊島は今期(2022年6月期)、サステイナビリティーを中心とした独自開発素材の取り扱い強化や国内外への販路拡大、素材から製品までの一貫したオペレーション構築に取り組む。製品ではデジタル技術で企業を変革するDXの活用やCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)による協業などで別業態・異業種の拡販を進める。

 今期売上高1800億円、経常利益70億円を目標に掲げる。トレーサビリティーの確立やカーボンニュートラルの推進などを含めSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、ICTを基盤としたプラットフォームの構築により“持続可能なライフスタイル提供企業”として社会に貢献するとともに、持続的な収益を確保できる体制を整える。

 繊維製品部門ではトレーサブルにこだわったトルコ産オーガニック綿「トゥルーコットン」や廃棄食材を染料に活用するプロジェクト「フードテキスタイル」の提案を一層強化。さらに、天然繊維だけでなく合繊素材の開発にも注力する。豊島半七社長は「市場としては合繊のシェアが圧倒的に多い中で当社としても柱を2本、3本と作りたい」と述べる。

 繊維製品部門では3DCGなどのDX提案の強化やCVCとの協業で新たな付加価値やライフスタイルを既存顧客に提供する。モールや百貨店など既存の売り先ではない小売店など異業種への拡販に加え、ECを軸とした消費者にネットで直販するD2Cビジネスの確立も目指し、「豊島流のプラットフォームを作っていく」と力を込める。

 今期足元の商況については売上高が計画通りに推移しているものの、原材料や物流費などコスト上昇の影響を受け利益は苦戦している。「新型コロナウイルス禍が1年以上続き業界としてもダメージは大きかった」と前期を振り返り、「今期の出だしも厳しい立ち上がりだ」と語った。

〈2期連続で最高益更新〉

 豊島の21年6月期単体決算は売上高1814億円(前期比9・6%減)、営業利益77億1600万円(25・7%増)、経常利益90億2400万円(18・2%増)、純利益38億9900万円(前期は7億6500万円の損失)だった。繊維製品部門の増収によって営業、経常利益は2期連続で過去最高を更新した。

 繊維素材部門の綿花は相場上昇に加えサステイナブルコットンの取り扱い数量が増加したものの、現地法人を含めた営業体制の見直しで大幅減収。原糸は欧州やインド、中国向けなどの輸出や三国間取引を増加させることができたが国内販売が低調だった。生機・加工織物は切り売りやユニフォーム向け加工反の三国間販売が伸長したものの寝装品やユニフォーム向けが苦戦した。

 繊維製品部門は主力取引先の取り組み強化やEC専業アパレル、異業種への販売に注力したことに加え、前期に続いて医療関連の需要を取り込み増収増益だった。生産面ではミャンマーでのクーデターの影響や東南アジア諸国のロックダウン(都市封鎖)による混乱もあったが、中国生産への変更によってロスを最小限に抑えることができた。