産地の10~12月を追う 22春夏向け生産動向(2)播州

2021年10月13日 (水曜日)

入り混じる期待と不安

 播州織工業組合がまとめた2021年9月の生産数量は88万2千平方㍍と前年同月比10・1%減だった。5~8月は需要が戻る兆しがあったが、22春夏向けの生地生産が最盛期となる10月を前に前年同月割れとなった。

 20年6~9月は同年春の緊急事態宣言発令の影響で、生産数量は各月で前年同月に比べ半減し、100万平方㍍割れが続いた。この産地がフル稼働すれば200万平方㍍は余裕で作れるといわれる。その半分にも満たない数量だ。同年でも最も減少幅が大きい4カ月間だった。その反動もあり21年6月は31・8%増、7月は31・5%増、8月は18・4%増と増勢が続き、一定量の回復が期待されていた。9月は想定以上に緊急事態宣言が長引いたことや解除後の市況が不透明なこともあり、アパレルの発注抑制の影響が出たもようだ。

 10月に入り、都市部の百貨店や衣料品専門店には人出が戻ってはいるものの、産地への好影響は数カ月先になりそうだ。「通常なら最盛期を迎える10月だが、仕事量は明らかに少ない」(産元)、「回復が感じられない時期が続いている」(産元)、「発注は来ているが今年も小量の発注が多い」(産元)といった声が大勢を占める。

 ただ昨年、新たにレディース向けの開発を始めた産元によれば「厳しい状況だが去年よりはかなりいい」という声も。アパレル、ハンカチ、雑貨などの製品事業に力を入れる染工場や加工場、織布工場でも「生地の生産は低調だが、製品で手応えを感じている」という企業も少なくない。

 「Go to トラベルの再開などで旅行需要が戻れば播州織の需要も再び出る」という見通しを示す産元もある。緊急事態宣言が解かれ、果たしてこれがどのような影響をもたらすのか、播州は期待と不安が入り混じる秋を迎えている。