中国縫製企業トップに聞く(5)江蘇意烽揚貿易 総経理 許峰氏

2021年10月13日 (水曜日)

日本から欧米向けにシフト

 ウインタースポーツ用途の目張り加工衣料と、ダウンウエアに特化する江蘇意烽揚貿易はここ数年、日本から欧州向けへのシフトに成功し、生産を拡大している。自社工場と協力工場の両輪を使い、さらなる成長を目指す。許峰総経理に今年の商況や、今後の計画を聞いた。(上海支局)

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  ――貴社はウインタースポーツウエアにアイテムを特化しています。

 ウインタースポーツウエアは防水、保湿、堅牢(ろう)性が求められ、生産の難度が高く、極端な価格競争を避けられるため、特化しています。

  ――日系向けが中心でした。

 日系商社を通じ、日本のブランドの仕事をメインに手掛けていましたが、日本のアパレル市場が厳しくなり、ブランドの直貿志向が高まる中、日本向けはここ数年、縮小を余儀なくされています。一方、北米などの海外展示会への出展を通じ、欧米ブランドの顧客開拓に取り組んできた成果で、欧米向けの割合が増えています。

  ――協力工場と自社工場で生産していますね。

 メインの生産は協力工場で、自社を貿易会社と位置付けています。協力工場は20社強で1500人規模、自社工場は約200人の体制です。年産規模は120~130万着になります。ここ数年、欧米向けを伸ばしており、今年は前年に比べ3割増えそうです。

  ――強みは何ですか。

 貿易会社としての営業力と、さまざまな協力工場を生かした生産面の機動力です。生産管理の能力の高さも武器です。

  ――沿海部の縫製工場では人手不足が顕在化しています。

 縫製工場で働く人材は、高齢化しています。以前は自分が住む村の外の工場に働きに出ることが一般的でしたが、最近は自分たちの村の中で働きたいと考える人が増えています。それに伴い、大きな縫製工場の近隣の村に、小さな工場が幾つもできてます。そうした工場に、既存工場が人材を奪われているんです。

  ――今後の計画は。

 生産管理はいまだに人海戦術ですが、いずれはシステム化したいですね。協力工場と自社工場の両輪で展開し今後も中国生産を続けていきます。日本向けも新型コロナ禍の後、再挑戦します。