産地の10~12月を追う 22春夏向け生産動向(3)北陸

2021年10月14日 (木曜日)

海外向けがけん引

 北陸産地は昨年夏を底に回復に向かう中で1~3月は一服感が出たものの、4~6月から海外向けなどが一気に動きだした。7~9月もその流れが続き、織機のスペースは薄地を中心にタイトになった。10~12月も同様で、来年1~3月の話も進み出している。

 合繊メーカーや商社によると、一時は半減した北陸産地への糸投入量は足元で新型コロナウイルス禍前の90%程度に回復している。国内のファッションなど分野によってはまだ新型コロナ禍の影響が残るものの、これまで生産を抑えてきた反動も出て、一昨年の水準を超える分野も出てきた。特に好調なのが大手SPA向けや海外のスポーツ・アウトドア向けで、海外のファッションやユニフォームなども回復した。海外は中国や欧米向けがけん引する。

 需要が回復する一方、さまざまな懸念材料も急浮上している。一つは、フォースマジュール(不可抗力)に加えて、中国など海外市場の回復や急速なサステイナビリティーへの関心の高まり、世界的な物流の混乱なども絡む糸不足の問題で、「10~12月は一昨年を超える水準の話が来ているが、糸の供給が不安要素。実際の生産が始まるまで分からない」との声も聞かれる。

 けん引役の一つとなっていた自動車用途は、半導体など各種部材不足で自動車メーカーが生産調整に入り、不透明感が増している。海上輸送など物流費の高騰も懸念材料で、「輸出の商談がしにくくなっている」(産元商社)ほか、他産業の回復で人材確保難の問題も再浮上してきた。現時点の受注回復は仮需も含むため、これからの市場での消費動向も注視されるところだ。