産地の10~12月を追う 22春夏向け生産動向(4)尾州

2021年10月15日 (金曜日)

明るい兆し見えず

 尾州産地の10~12月は引き続き低空飛行の状態が続く。21秋冬向けの受注は20年比では回復した企業が多かったようだが、10月以降は毛織物を主力とする尾州にとっては閑散期な上に新型コロナウイルス禍で明るい兆しが見えない。

 21秋冬向けのピークとなる6~9月は生産が例年よりも早めに終了した。ある染工場は「出だしは受注が多かったものの、その後が続かなかった」と話す。目先での発注が増えたことで注文時期が集中し納期対応に追われたという。

 厳しい状況が続いたものの、ある程度在庫がさばけたことで前年よりは回復した企業が多かった。日本毛整理協会が発表した加工数量でも、6月から前年を超え、7月には梳毛織物、紡毛織物、丸編み地のいずれの品目も前年を超えた。

 ただ、新型コロナ禍前の19年と比較すると遠く及ばないのが実情。そもそも19年は前年の暖冬の影響を受け尾州全体の商況は決して好調とは言えなかった。その厳しかった19年にも及んでいない今年の状況はかなりの厳しさを示す。

 10月以降の見通しも明るくない。行動制限が緩和され始めたが重衣料の販売が伸びることは考えにくい。今年の秋冬物の販売が今後の受注量を左右するため注視している産地企業は多い。そのため22春夏向けの受注についても不安視する見方が大勢を占める。