繊維ニュース

帝人マテリアル事業/サステで新たな価値を提供/SC全体で環境負荷低減

2021年10月15日 (金曜日)

 帝人は、アラミド繊維や炭素繊維などを展開するマテリアル事業で、サステイナビリティーに関連する新しい価値を顧客に提供する。素材によるCO2排出削減への貢献に加え、ライフサイクルアセスメント(LCA)の視点を導入し、顧客とともにサプライチェーン(SC)全体の環境負荷低減を目指す。既に取り組みを開始している。

 内川哲茂取締役常務執行役員マテリアル事業統轄は「CO2削減などでサステイナビリティーを目指してきたが、それだけでは認められなくなる」との認識を示す。サステイン(持続していく)活動だけでなく、再生しながら繁栄する道を選択し、「真の持続可能な社会を実現する」と強調する。

 キーワードがリジェネレーション(再生)で、その一つとして生産過程から廃棄に至る製品のライフサイクル全体を考えたLCAを導入する。例えば炭素繊維を作るためのエネルギーや物流面まで含めて個別顧客ごと、部材ごとにCO2排出量を計算し、効果を数値で表す。モビリティー分野で先行している。

 技術開発面では今年1月に環境価値向上に特化したイノベーション開発拠点、欧州サステナブル先端技術開発センター(ESTIC)をオランダに開設した。サーキュラーエコノミー(循環型経済)や水素社会への取り組みなどを中心に、リジェネレーションの実現に向けた新ソリューションの開発を始めている。

 そのほか、マテリアル事業では、アラミド繊維製造におけるグリーンエネルギーの導入加速や複合成形材料の拡大、ケミカルリサイクル技術のライセンス展開などに重きを置く。複合成形材料については「中国と欧州市場での拡大に全力を傾ける」(内川取締役常務執行役員)とした。