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学生服大手3社21年決算/売上高は6期連続過去最高へ/製販のデジタル化が急速に

2021年10月18日 (月曜日)

 学生服メーカー大手3社の2021年決算が好調だ。既に発表したトンボと菅公学生服は増収。12月期の明石スクールユニフォームカンパニー(SUC)も増収を視野に入れる。3社そろっての売上高が6期連続で過去最高を更新する可能性があり、増益も見えてきた。ただ、原材料費の高騰などで一段の利益確保が課題。製販のデジタル化などでコスト削減、経営基盤強化が加速する。

(小野亨)

 今春は昨春に比べ全国的な休校もなく、各社の制服モデルチェンジ(MC)校の獲得は堅調だった。各社独自の取り組みが奏功したことに加え、新型コロナウイルス禍で昨春から延期となった案件の再開など、複数の要因が影響したとみられる。

 中でも性的少数者(LGBTQ)への配慮で中学校を中心に制服のブレザー化が急加速したことが大きい。トンボの近藤知之社長が「新規の7割以上が性的少数者に配慮したMC」と話すように、直近2年でブレザー化が拡大。東海など自治体単位で統一型の採用が進む。

 こうした環境下、トンボは3大都市圏を中心にスクールで150校、スポーツで部活・マーチングウエア含め280校を獲得。中期3カ年計画で目標としていた売上高400億円を1年前倒しで達成し、21年6月期は401億円となった(前期384億円)。

 菅公学生服もスクールとスポーツで堅調にMCを獲得し、同7月期で386億円(前期370億円)と実績を積み上げた。明石SUCもブレザー化の流れなどを捉え順調に採用を獲得、同12月期に280億円超を目指す。同社は昨年、決算月を5月から12月に変更。前期変則7カ月決算(20年6~12月)を例外とすると、実質1年を通した初年度の今期も20年5月期269億円から増収を見込む。

 利益面も改善が見られつつある。トンボは21年6月期に4期ぶり、菅公学生服は同7月期に2期連続の最終増益となり、明石SUCも同12月期で増益を視野に入れる。

 ただ、価格競争や別注の細分化に加え、コストアップの環境下で一段の利益確保が課題。「原材料費も人件費も全て製品価格に影響することを改めて訴える」(明石SUCの河合秀文社長)ことが不可欠な状況にある。新型コロナ禍でもリモートや分散授業が拡大し環境が持ち直してきたため、自助努力による効率化、コスト削減で利益確保の動きも目立ってきた。

 普及が進むリモート採寸では「精度の高さがMCにつながる部分もある」(菅公学生服の尾﨑茂社長)ため、さらに注目される。トンボが2年延長した茨城県笠間市の新物流センターの着工を来年始めるなど新型コロナ禍で遅れていた投資も進む。

 来春のMCはピークの1992年以来30年ぶりに400校を超える見込み(ニッケ調べ)。ブレザー化でMC獲得が見込める一方、製販の競争が加速し、デジタル化や設備投資など効率化によるコスト削減で経営基盤の強化が一層急務となりそうだ。