繊維ニュース

特集 北陸ヤーンフェア2021(3)/出展者の見どころ/東洋紡STC/クラレトレーディング/帝人フロンティア/増井

2021年10月19日 (火曜日)

〈幅広くサステ素材を紹介/御幸毛織が初参加/東洋紡STC〉

 東洋紡STCは御幸毛毛織、日本エクスラン工業とともに出展し、綿、ウール、合繊と幅広く高付加価値素材を紹介する。

 東洋紡STCでは、原糸販売グループ(G)とインナーGが出展する。原糸販売Gは、清潔をテーマに除菌繊維「アグリーザ」を出品するほか、東洋紡グループのSDGs(持続可能な開発目標)に対する取り組みを含めてサステイナブル素材を幅広く紹介する。同素材は、GOTSなど環境認証に対応する綿を使った「爽快コット」や「デオドラン―C」などの機能素材、オーガニック綿を使ったインド綿糸「ソレイユ オーガニック」、未利用綿を再利用する「エコット」などをそろえる。

 インナーGは、経編み用サイジングビーム供給システム「サイプス」で、吸湿発熱、消臭、吸放湿などの機能紡績糸を提案するほか、高強力軽量ナイロン「シルファインプレミアム」や再生ナイロン糸などを紹介する。

 御幸毛織は今回が初出展。今回は長短複合糸「マナード」の芯にトリアセテート長繊維、鞘にウールを使ったタイプを紹介する。光沢感や感性のほか、消臭性にも優れる。芯に再生ポリエステルを使ったタイプも紹介する。

 日本エクスラン工業は、吸水ショーツ用の不織布「サニガードプラス」を紹介する。アクリレート繊維とアクリル繊維を使ったニードルパンチで、要望に応じて吸水性、抗菌、消臭、抗カビなどの機能を付与できる。繊維タイプと微粒子タイプで展開する抗ウイルス素材「ヴァイアブロック」は、洗濯10回後もSEKの抗ウイルスマークに対応する。

〈独自樹脂によるサステ素材/「エルモザ」など提案/クラレトレーディング〉

 クラレトレーディングは今回展で、衣料用から資材用まで幅広く、自然環境や生活環境の向上に寄与する独自素材を紹介する。主な出展品は、人工スエード「エルモザ」、衝撃吸収繊維「スパンドール」、水溶性繊維「ミントバール」など。

 エルモザは環境配慮型の製法で作るポリエステル100%(溶脱前はポリエステル70%・ポリビニルアルコール)の人工スエード。製造時に溶剤・アルカリ減量処理を必要とせず、熱水処理でポリビニルアルコールを溶脱して割繊するマイクロファイバーを使う。ポリウレタンを使用しないのでリサイクル時の分離も不要となり、製品のモノマテリアル化につながる。衣料、靴資材、カバンのライニング材、インテリアなどの用途に提案する。

 スパンドールは衝撃を熱エネルギーに変換する特徴を持った独自樹脂を使ったエラストマー繊維。織り込む、編み込むだけで製品に衝撃吸収性を付与することができる。原料製造時や燃焼時にイソシアネート、シアンガスを使用・放出しないサステイナブル素材でもある。用途はシューズ、靴下、インテリア、保護器具、産業資材などを想定している。

 ミントバールは、生分解性があるポリビニルアルコール樹脂を使った水溶性繊維で、約80℃の熱水で容易に溶解。低強度、細繊度の糸に複合することで補強材となり、工程性の向上につながる。タオルなどパイル織物の断糸抑制や細番手織物の補強などで使われているほか、コアヤーンの芯に使い、溶解することでナチュラルなストレッチ感を出すこともできる。

〈エコペットの完成度高める/差別化タイプも量産へ/帝人フロンティア〉

 帝人フロンティアは今回展で、再生ポリエステル「エコペット」に焦点を当てて出展する。感性、品位、機能性など各面で完成度を高めており、豊富な生地バリエーションをそろえて紹介する。

 エコペットは25周年を迎えた昨年にリニューアルし、各種リサイクル技術による再生ポリエステルの総合ブランドとした。現在はマテリアルリサイクルでも、通常糸と変わらない形での生産が可能となり、吸汗速乾の「カルキュロ」、中空タイプ「エアロカプセル」、シルクウール調の「ラチェット」などの差別化素材もエコペットで通常糸と変わらない量産の段階に入っている。今回展ではこの1年でさらに完成度を高めた商品群を紹介する考えで、豊島の「トゥルーコットン」とエコペットのエアロカプセルを組み合わせた段ボールニットや、進化させたソロテックス エコハイブリッドの生地などを披露する。エコペットの新下げ札も紹介する予定。4月に吸収合併した東邦テキスタイルの紡績糸事業とのシナジーにより、エコペットの短繊維を使った紡績糸も拡充する。

 エコペットの販売は、19~20年度は新型コロナウイルス禍で横ばいとなったが、今年度は19年度の約2倍への拡大を狙う。ファッション用途で広がっているほか、自動車などでも要望が増えている。今後は、トレーサビリティーのさらなる強化も重視し、今期に新設したサステナビリティー戦略推進部と組みながらサプライチェーン全体での仕組みを構築していく。

〈SDGs基づくエコ糸/綿糸で内見会方式採用/増井〉

 増井(大阪市中央区)はSDGs(持続可能な開発目標)に基づいたサステイナビリティー対応糸をメインに訴求する。

 昨年に続き2度目の出展となるが、「紡ぐ未来―一本の糸からできること―」をテーマにペットボトル再生糸「エコリンク」、ペットボトル再生糸もそろえる先染糸シリーズ「ミコルトーン」、生分解性を持つレーヨン長繊維、オーガニック綿使い(OCS認証取得済)を含めたウズベキスタン綿糸「サマルカンダリア」などを出品する。サマルカンダリアは販売を通じて同国の社会貢献につながる事業も検討する。

 綿糸では内見会方式を新たに採用。北陸産地で多くはない綿糸を扱う企業に事前案内し、会場で実商談を行う計画を組む。北陸産地への綿糸販売はゼロに近かった4~5年前から拡大してきた。サマルカンダリア以外の綿糸、オーガニック綿糸もそろえて提案する。

 ペットボトル再生糸は調達先がリサイクル製品の「GRS」認証を取得するが、同社も認証取得を検討中。レーヨン長繊維も調達先がFSC認証のFM(森林管理)認証を取得するが、同社は認証林から収穫した認証材が消費者に届くまでを認証するCoCの取得も進める。

 レーヨン長繊維では土中での生分解性を訴求するほか、接触冷感性などを持つ複合糸「CRⅡ」(仮称)、「同Ⅲ」(同)、扁平(へんぺい)糸「バルカール」など機能糸も訴求する。