特集 北陸ヤーンフェア2021(9)/出展者の見どころ/エディー/ストーブリ/テクノトレーディング/イテマ

2021年10月19日 (火曜日)

〈多様な緯入れで安定生産/LGLのフィーダーも紹介/エディー〉

 エディーは、日本での総代理店を務めるピカノール(ベルギー)の織機やLGLエレクトロニクス(イタリア)のフィーダーを紹介する。

 ピカノールの織機は、レピアの基幹機種「オプティマックス―i」や電子開口装置「スマートシェッド」を搭載するエアジェット織機「オムニプラス―i」をパネルやビデオで紹介する。

 オプティマックス―iは、幅広い糸種への対応や多様な緯入れ、品質や稼働の安定性などの点で高い評価を得ており、衣料、産業資材、工業資材、農業資材など幅広い用途で使われている。日本では特に資材用途が堅調に推移する。

 緯糸挿入方式はガイド式とガイドレス式(フリーフライト)があり、6月のITMAアジアでは540㌢幅のガイドレス式も発表された。

 オムニプラス―iは、高速生産における安定性や多様な緯入れ(6色)が可能など総合力の高さが評価されており、電子開口装置「スマートシェッド」の搭載も始まった。

 LGLエレクトロニクスのフィーダーは、織機用、編み機用、リワインダー用など幅広くそろえ、有力機械メーカーの多くが採用している。今回展では、積極式の「スピン」と「ツイン」、消極式の「Eコンパクト」などを紹介する。安定した張力管理や使用電力の低減、電子制御による扱いやすさなどが特徴で、Wi―Fiでつなげば1口ずつ稼働管理することもできる。近年はリワインダーワインダー用のほか、旧式の織機でフィーダーを入れ替え、品質向上につなげる動きも出ている。

〈タイイングの新機種紹介/自動検知を標準装備/ストーブリ〉

 ストーブリは北陸ヤーンフェアに初出展する。北陸を重点販売先に位置付ける中、産地関係者が多く集まる展示会であることから参加を決めた。新型コロナウイルス禍のため出張できない状況が続いたこともあり、情報交流の場としても活用する。

 北陸はドビーの販売が柱で、製織準備機ではドローイング機が日本で最も多く入っている産地だが、今回展では新しい提案としてタイイング機を紹介する。タイイング機は、「トップマティック」の後継機種として「タイプロ」の提案が始まった。従来のニードル式をやめてスピンドル式とし、2本取りの自動検知やオートリバース機能が標準装備されている。オペレーターの手間や時間、人為的ミスの削減につながる機種として、今回展で紹介する。

 今年の繊維機械販売は、電子ジャカードが落ち込むものの、主力の大手織機メーカー向け開口機(ドビー、カム)が回復し、製織準備機も伸びたことで、全体では計画通りに推移する。製織準備機はドローイング機「サファイア」シリーズが堅調で、細番手でもビームから直接ドローイングできる強みを生かし、ガラス繊維用も順調に推移している。

〈台湾製の織機部品出品/レピア用もそろえる/テクノトレーディング〉

 機械商社のテクノトレーディング(福井市)は昨年に続いて北陸ヤーンフェアに出展し、輸入販売する織機部品などを紹介する。

 同社は台湾の乙銓企業の総代理店として、織機用や編み機用の各種部品を販売する。乙銓企業はWJL用部品を主力に、AJL用部品やドビー、ドローイングマシンの各種部品も手掛ける。ニーズが多い部品の多くが台湾で備蓄され、テクノトレーディングが需要に応じた量を日本に毎週輸入して対応する。

 主要商品はカタログに掲載しているが、それ以外の部品もバイオーダーで対応することが可能。既に生産が中止となった機種を含め、長く稼働する織機には部品調達が難しくなったものもあるが、それに対応できるケースも多いと言う。今回展ではWJL用を柱に、AJL用やレピア織機用も展示する。台湾製で品質の安定とともに、買いやすい価格を実現しているのが特徴。

 同社は2009年設立。レース用を中心に中国の常州市潤豊源紡机制造の経編み機や関連部品の輸入販売も行う。顧客を広げるため一昨年から北陸ヤーンフェアに出展しており、毎年新たな顧客獲得につながっている。

〈レピアやAJL紹介/更新による省エネ訴求/イテマ〉

 イテマ(イタリア)の日本法人、イテマウィービングジャパンは今回展に初出展する。産地関係者が一堂に集まる場であることから、情報交換や産地との交流を狙いに出展を決めた。

 展示会では、レピア織機「R9500―2」、エアジェット織機「A9500」、産業資材用「イテマテック」などを紹介する。日本での主力機種となるR9500―2は生産品の品質の高さや扱いやすさなどが特徴。現在の最新機種はモーターの効率化や負荷や抵抗が小さい部品の設計など省エネ技術が進んでいる。20~25年前の機種に比べると消費電力が半分になるというデータもあり、更新による環境負荷の低減も訴求する。

 イテマテックでは、高張力織物の生産に特徴を持つ「ヘラクレス」、特殊な糸を使う織物に向く「ユニラップ」を紹介する。

 現在、イタリアでの生産は世界的な織機需要の拡大を受けて、タイトな状況が続く。中国、インド、トルコに続き、イタリア国内からの受注も回復している。これにより日本への納期は長くなり、今決めても入ってくるのは来年6月頃になる。その中で商談が早まるケースもみられ、今年の販売台数は納期の問題で減少するが、来年は5月までに通常の1年分にあたる60台弱が入る見通しとなった。けん引するのはデニム用だが、北陸向けも資材用途を中心に安定して推移する。