大和紡績/研究開発体制を大幅拡充/ESG、SDGsが重点テーマ

2021年10月21日 (木曜日)

 大和紡績は研究開発体制を大幅に拡充した。このほど研究開発部署を一本化し、合繊、産業資材、製品・テキスタイルの各事業分野横断で基礎研究や商品開発に取り組む体制を整備した。有地邦彦社長は「中期経営計画でもテーマに掲げるESG(環境、社会、ガバナンス)重視やSDGs(持続可能な開発目標)達成につながる研究開発を加速させる」と話す。

 同社は9月に技術・開発部を播磨研究所(兵庫県播磨町)に統合した。技術・開発部はこれまで事業分野別などで研究開発を行ってきたが、播磨研究所に一本化したのに合わせて分野を越えて研究開発に取り組む体制にした。有地社長は「播磨研究所は100人近い研究開発人員を擁する体制になった。研究開発の分野・対象にも横串を通し、これまで以上に幅広い視点からの研究開発を進める」と話す。

 特に重視するのがサステイナビリティーに関連する研究開発テーマ。ダイワボウグループは今期から始まった中期経営計画で「ESG視点での事業を通じた社会課題解決への貢献」を重点テーマの一つに掲げており、これに合わせて大和紡績もESGやサステイナビリティーを事業戦略の重要なキーワードに位置付けている。

 播磨研究所でも生分解性素材やバイオマス素材、リサイクル技術、生産プロセスの環境負荷低減のための技術開発などに取り組む。これら開発成果を販売拡大につなげる。これまでも独自の原料や加工による商品開発と提案を進める「ファイバー戦略」を推進してきたが、研究開発体制の拡充でファイバー戦略のさらなる深耕を目指す。