東レインターナショナル/来春に傘の販売開始/工場の余り布活用
2021年10月21日 (木曜日)
東レインターナショナルは、傘の販売に乗り出す。サステイナビリティー対応の一つで、ベトナムや中国などの縫製拠点で出る余った生地(ナイロン製)を再利用する。22春夏からECサイトで展開を始め、傘本体のほか、張り替え用の生地も販売する。
日本国内の工場のほか、ベトナムや中国の縫製拠点などで出る余り生地のうち、傘地として利用できるものをアップサイクルする。「アウトドアウエアを生産することも多く、傘として再利用できる生地は問題なく確保できると考えている。商品に人気が出ても対応できる」と話す。
生地には東レの最高撥水(はっすい)基準の高耐久撥水「キューダスXT」を施す。シャフトと親骨、受骨に炭素繊維を使用しているため軽くて丈夫なのも特徴だ。中国のOEM専業の工場で作る。「ツツ」の名称で販売し、価格は1万円前後に想定している。
高耐候レインウエア「トレイン」でもサステイナビリティーの訴求を強める。一般的なレインウエアは防水膜が加水分解で劣化するため3年程度しか着用できないが、トレインは特殊樹脂による防水膜と高耐久目止めテープ、目止め技術などを駆使して、10年という長寿命化に成功した。
今後は3Dでのデジタルシミュレーションの導入による製品開発でサンプル作製や染色の削減に取り組むほか、環境配慮型素材の活用などを進める。これによって2030年には環境負荷を限りなくゼロに近づける。ライフサイクルアセスメント(LCA)の導入で環境負荷の数値化にも取り組む。