UTCサステナブル繊維営業第一部/新市場開拓で生地販売拡大/輸出比率は3年後20%へ

2021年10月26日 (火曜日)

 ユニチカトレーディング(UTC)のサステナブル繊維営業第一部は、海外市場開拓などを軸に生地の販売を伸ばす。国内のミセス用途を主力とし、2021年上半期(4~9月)は前年同期を上回る水準で推移しているが、新市場への参入で成長を加速する。海外向けは売上高の約10%だが、3年後には20%に高める。

 同部の今上半期は「おおむね順調な動き」(滝澤邦治部長)を見せている。糸売りが好調だったほか、生地販売も前年同期比20%増。ただ19年と比べると2割ほど少なく「22年度以降は19年のレベルに戻すのが目標」とし、既存の百貨店ミセス用途に加え、新市場・新領域に伸び代を求める。

 新市場・新領域と位置付けているのが海外市場と紳士用途だ。生地の販売は国内が9割を占めているが、今後は欧州や中国を中心に提案を強める。トップメゾンなどに高付加価値素材を訴求するが、欧州市場向けでも価格抑制が要望されてるとし、中国協力工場の活用・活用を進める。

 海外市場向けでは裏起毛のハイテンションニット「ヒートパフォーマー」が韓国で人気だが、欧州などに向けてはランダム構造サイドバイサイド型ポリエステル「ゼットテン」の再生糸タイプの打ち出しを中心とする。ゼットテンは国内向けでも重点商材の一つに位置付けている。

 紳士ではバイオマス比率45%のナイロン56(短繊維)を使った「ビーメックスエコプラス」を提案する。通常のナイロンとほぼ同様の物性を持ちながら発色性や吸湿性能に優れている。ぬめり感とハリ・コシを両立した独特の質感があり、「アウトドア商品の展開を検討する企業に訴求」する。