東洋紡STC/中東・スクールに重点化/下半期からの浮上目指す

2021年10月26日 (火曜日)

 東洋紡STCは自社の強みに位置付ける中東輸出、スクール、ユニフォームに重点化し業績回復を目指す。新型コロナウイルス禍で2021年度上半期は営業損失を計上したものの、下半期からの黒字浮上を計画する。

 同社は今年4月、メリハリをつけた事業運営を徹底するための組織再編を実施。繊維事業総括部をこれまでの4事業部からスポーツ、マテリアル(インナーや糸売り)、輸出織物、ユニフォーム、スクールの5事業部体制に組み替えた。中でも、 中東輸出、スクール、ユニフォームに経営資源を重点的に配分する。

 今回の組織再編でダウンウエア向けのナイロン織物を輸出織物事業部に移管。トレンドに左右されにくく長期間着用されるアイテムをターゲットとする開発に転換する。

 中東輸出は19年度と20年度の中間くらいの状況に回復。今後も長年の取り組みで培ったブランド力、顧客からの信頼をてこに「頂点ゾーンで戦う」(清水栄一社長)方針だ。

 スクールでは、大手4社とのパイプを維持しながら、グループ会社・御幸毛織(名古屋市西区)との連携を改めて強化しウール低率混やニットによる開発・企画提案を強化する。

 スポーツでは引き続きインドネシアに構える編み・染め工場、縫製工場をリンクさせた生地から製品に至る一貫体制を駆使し、製品OEMを伸ばす。グローバルなスポーツ市場向けの販売を拡大する戦略にも着手した。

 苦戦が続くインナー・肌着では独自性の高い糸・わたとそれらを使う高機能な生地の開発に特化し収益改善を目指す。製品OEMからは撤退する。