2021年4~9月期/帝人/東洋紡/グンゼ/日東紡

2021年11月09日 (火曜日)

〈ガウンの特需収束も増収増益/帝人〉

 帝人の連結決算は、売上高4533億円(前年同期比15・0%増)、営業利益314億円(1・2%増)、経常利益326億円(8・0%増)、純利益215億円(34・8%増)で増収増益だった。医療用ガウンの特需が収束したが、経済の回復に伴う販売増が寄与した。

 繊維・製品は売上高1335億円(15・6%減)、35億7500万円(71・8%減)で大幅な減収減益。ただ前年同期は医療用ガウンで約400億円の売り上げがあり、営業利益の約3分の2を占めた。これらの要因を除くと増収増益基調にある。

 マテリアルセグメントのアラミド繊維は自動車用途を中心に需要が回復した。炭素繊維は用途全般で販売量が増えた。

 通期の業績見通しは売上高9千億円、営業利益600億円、経常利益600億円、純利益350億円。

〈生活・環境が回復増収で大幅な増益/東洋紡〉

 東洋紡の連結決算は、売上高1838億円(前期比16・7%増)、営業利益171億円(64・2%増)、経常利益133億円(127%増)、純利益97億円(267・3%増)の増収大幅増益となった。

 モビリティ部門は44%の増収となり、営業損失を前期の13億円から9億円に圧縮。エアバッグ基布の販売を回復させたものの原燃料高騰の影響で収益面は苦戦した。

 生活・環境部門は8・9%の増収、5・5%の営業増益。中東向けの生地輸出は回復へと転じたがスポーツ、ユニフォームは低調だった。スーパー繊維「イザナス」は釣り糸・ロープ用が、「ツヌーガ」は耐切創手袋向けが堅調だった。

 通期では売上高3650億円(8・2%増)、営業利益290億円(8・8%増)、経常利益240億円(15・9%増)、純利益130億円(209・4%増)を見込んでいる。

〈東京支社売却益44億円/グンゼ〉

 グンゼの連結決算は、売上高593億円(前期比2・3%増)、営業利益33億4千万円(2・6倍)、経常利益37億7100万円(2・5倍)、純利益50億200万円(22倍)だった。会計基準の変更に伴い前年同期比は参考値。東京支社等売却益は44億8600万円で純利益を押し上げた(短信既報)。

 全社売上高の構成比率はアパレルが46%、電子部品などを扱う機能ソリューションが45%と拮抗(きっこう)している。一方、営業利益はアパレルの占有率が16%にとどまり、81%を機能ソリューション事業が占める。

 アパレル事業の売上高は274億円(6・2%減)、営業利益は7億6300万円(20・5%増)だった。インナーの売上高は前年同期比2%減の165億円、レッグウエアの売上高は20%減の57億円だった。下半期はTシャツ専用インナー「インT」、レッグウエアでは好調なレギンスなど差異化商品の拡販に力を入れる。

 通期は売上高1270億円、営業利益70億円、経常利益72億円、純利益56億円を見込む。

〈繊維は赤字幅改善/日東紡〉

 日東紡の連結決算は、売上高410億円(前年同期比7・3%増)、営業利益39億3200万円(35・4%増)、経常利益39億200万円(38・4%増)、純利益23億4200万円(73・3%減)で増収増益だった。一部の事業を除いて販売が回復した(短信既報)。

 繊維事業は売上高12億5900万円(18・1%増)、営業損失4700万円(前年同期4億1900万円の損失)で増収、赤字が改善した。新型コロナウイルス禍に伴う店舗休業の影響が前年同期と比べて小さかったほか、原糸販売撤退に伴う駆け込み需要があった。事業構造改革も寄与した。

 通期の業績予想は売上高840億円、営業利益66億円、経常利益66億円、純利益50億円。