2021年4~9月期/東レ/ユニチカ/シキボウ/ダイワボウホールディングス

2021年11月10日 (水曜日)

〈繊維事業など順調/東レ〉

 東レの連結決算(IFRS)は、売上収益1兆629億円(前年同期比24・2%増)、事業利益701億円(105・8%増)、税引前利益812億円(約9・6倍)、純利益609億円(約13・6倍)で大幅な増収増益を達成した。繊維や炭素繊維複合材料をはじめとする全事業で増収を確保した。

 繊維事業は売上収益4015億円(21・6%増)、事業利益243億円(53・9%増)で増収増益。衣料用途は新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、スポーツ・アウトドアが好調に推移した。産業用途は自動車関連用途が回復し、数量を伸ばした。

 炭素繊維複合材料事業は、売上収益989億円(10・8%増)、事業損失36億2300万円(前年同期2億8200万円の損失)で増収ながら赤字幅が拡大した。民間旅客機のビルドレート減少が響いたほか、原材料価格上昇の影響を受けた。

 通期の業績予想は売上収益2兆2200億円、事業利益1300億円、純利益930億円。

〈経常が大幅増益/ユニチカ〉

 ユニチカの連結決算は売上高555億円、営業利益33億9200万円(前年同期比21・2%増)、経常利益29億2200万円(81・4%増)、純利益22億1400万円(40・7%減)と経常大幅増益となった。会計基準変更により売上高の前年対比%は示していない。

 当期は売上総利益率を前年の24・1%から25・4%に改善し営業増益に。持分法による投資損失がなくなったため経常大幅増益を達成した。受取保険金がなくなったため純利益を大きく落とした。

 機能資材事業では、活性炭繊維やガラスビーズ、ポリエステル長短繊維の販売を伸ばし約15%の増収を確保したものの、原燃料価格や物流費の高騰で93・3%の営業減益となった。

 通期では売上高1165億円、営業利益66億円(9・7%増)、経常利益54億円(0・3%増)、純利益40億円(3・5%増)を見込んでいる。

〈繊維は赤字縮小/シキボウ〉

 シキボウの連結決算は売上高171億円(前年同期比8・0%増)、営業利益6億5800万円(81・6%増)、経常利益4億5800万円(205・8%増)、純利益4億400万円(205・6%増)だった。

 繊維事業は売上高87億4400万円(6・2%増)、営業損失2億3700万円(前年同期は2億5400万円の損失)だった。原綿価格や燃料費の高騰で利益面は赤字幅の縮小にとどまった。原糸は国内市場低迷もベトナム協力工場生産の差別化糸が堅調だった。中東民族衣装用織物は徐々に営業活動が活発化している。ユニフォーム地は新型コロナウイルス禍からの回復が徐々に進んだ。生活資材は抗ウイルス加工が堅調もホテルリネン低迷で苦戦した。

 通期は連結売上高354億円(5・6%増)、営業利益16億円(33・7%増)、経常利益13億円(38・7%増)、純利益8億円(約90倍)を見込む。

〈繊維は黒字浮上/ダイワボウホールディングス〉

 ダイワボウホールディングスの連結決算は売上高3506億円(今期から収益認識に関する会計基準適用のため前年同期比は記載せず)、営業利益98億600万円(9・6%減)、経常利益98億8300万円(10・6%減)、純利益70億1500万円(20・3%減)だった。

 繊維事業は売上高293億円(5・8%減)、営業利益9億5700万円(前年同期は1億9400万円の損失)となり、黒字浮上した。合繊・レーヨン部門はレーヨン短繊維が好調に推移。産業資材部門はフィルターや重布が堅調もイベント中止で建材などが苦戦した。衣料製品部門は外出自粛や小売店休業の影響で苦戦した。

 通期業績は連結売上高8200億円、営業利益285億円(18・6%減)、経常利益285億円(20・4%減)、純利益185億円(28・1%減)を見込む。