LIVING-BIZ vol.76(2)/特集 ふとんのリフォーム&リフレッシュ/西川/フレスコ
2021年11月16日 (火曜日)
〈SDGsの浸透が追い風/定期的なメンテで長期使用〉
羽毛ふとんのリフォーム(仕立て直し)が堅調だ。SDGs(持続可能な開発目標)の考え方が浸透し、定期的にメンテナンスして長く使用するという消費行動がこれまで以上に広がりつつあるとみられる。
羽毛ふとんのリフォームは、羽毛を洗浄して汚れを取り除き、必要に応じて新しい羽毛を充填(じゅうてん)し、新しい生地で仕立て直すなどの方法がある。2000年代前半から需要が拡大し始め、08年のリーマン・ショック後、受注減に悩むふとんメーカーの間でリフォームに活路を求める動きが強まった。羽毛ふとんがリフォームできるものという消費者の認知度も徐々に高まり、広がってきた。
日本羽毛製品協同組合(日羽協)によると、認定リフォーム工場に交付したリフォーム済みを証明する「リフォーム認定ラベル」は、13年度から5万枚台を中心に推移し、20年度は前年度比12%増の5万5700枚だった。
21年は前年以上に堅調な寝具製造卸・メーカーが目立つ。西川は、20年の羽毛ふとんのリフォームが前年比5%増収で、さらに21年は同15%増収を見込む。「新型コロナウイルス禍での衛生志向の高まりと、良いものを長く使用するSDGs的な考え方の浸透」を増収要因に挙げる。
寝具製造卸のロマンス小杉(京都市)も羽毛ふとんを中心としたリフォームが20年は横ばいだったが、21年は40%増収を見込む。
フランスベッドは、21年度の羽毛ふとんのリフォームの売り上げがここまで前年同期比56%増。22年3月までの通期で50%増を計画する。過去最高だった19年度と比べると、20%増収となる。
昭和西川(東京都中央区)も21年の羽毛ふとんのリフォームで大幅増収を見込む。
羽毛精製加工の河田フェザー(三重県明和町)は、20年の羽毛ふとんのリフォームが11%減だったが、21年の見通しは70%増収とする。寝具店や寝装メーカーをはじめ、消費者からも受注するが、ステイホームの増加でネット経由などの依頼が増えているという。日羽協が認定するリフォーム制度の最高ランク「プレミアムダウンウォッシュ仕上げ」の認定工場として、リフォーム専用ラインを4ライン持ち、日産最大30枚に対応するが、需要拡大を受けて生産設備の充実や、生産人員の確保と教育を行って今年末までに日産最大120枚体制にする。
羽毛・寝具製造卸のホップライオンジャパングループ(東京都千代田区)は、20年が10%増収で、21年は倍増を見込む。「新型コロナ禍による清潔志向で通販関係が増加した」とする。
山一の子会社で羽毛ふとんのリフォームなどを手掛けるイナミ(大阪市西区)は生協向けが強く、20年が9%増、21年の見通しが7%増。「サービスの認知度が高まったほか、環境保全に対する消費者の意識が高まった」と分析する。
ふとんの丸洗い事業を展開するフレスコ(大阪市中央区)は、羽毛ふとんのリフォームとともに、定期的に丸洗いすることでより長く使えるとアピールする。
羽毛は食用飼育の副産物で資源を有効利用しており、適切に手入れすれば100年、200年と長期間使えるとされる。リサイクル羽毛への関心も高まり、定期的なメンテナンスと組み合わせることで、時代の要請に応えるサステイナブル製品になりそうだ。
〈増設や独自加工開発を計画/西川〉
西川では2020年、羽毛ふとんリフォームの売り上げが前年比5%増となった。「新型コロナウイルス禍での衛生志向の高まり、良いものを長く使用するSDGs(持続可能な開発目標)的考えの浸透で増えた」とみている。
寝具専門店や百貨店経由で受注し、専用工場でリフォーム。1枚ずつ丁寧に洗い、側生地・キルト・足し羽毛の種類が選べるのが特徴だ。「お手軽コース」「スタンダードコース」「『ゴア』羽毛ふとんコース」「アイダー原毛洗いコース(ゴア羽毛ふとん仕上げ)」「羽毛肌掛け布団コース」の5コースで対応する。
スタンダードとゴア羽毛ふとんのコースでは、羽毛を50グラム増量。増量分はへたりやすい襟元、足元、中央部分に多めに充填(じゅうてん)する。スタンダードコースは羽毛が片寄りにくいキルティング仕様、ゴア羽毛ふとんコースは羽毛が片寄らないキルティング仕様で仕上げる。
21年も好調で前年比15%増の見通し。今後は増設を含む設備の見直し、西川独自加工の開発を計画している。
〈抗ウイルス加工サービス追加/フレスコ〉
ふとん丸洗い事業を全国展開しているフレスコ(大阪市中央区)は、ふとん丸洗いサービスに、抗ウイルス加工コースを追加した。
浸け込み加工で、ふとんの“側”(中わたを入れる前の半製品)全体に抗ウイルス機能を持たせる。ボーケン品質評価機構の「繊維製品の抗ウイルス性試験」で、綿100%の織物と、ポリエステル×ポリエステル・綿混の交織の側に付着した特定のウイルスが、それぞれ99・99%以上減少することを確認している。
同社の丸洗いは「水と風」がポイント。水を浸透させる独自の洗剤を用い、同社の洗い方に合うように洗濯機を改良した。乾燥機も独自のシステムで風の力で乾かす。
2021年の丸洗い事業は、前年比4%の増収を見込む。新型コロナウイルス禍で前年に落ち込んだ寝具専門店、訪問販売ルートの受注が回復傾向にある。
寝具市場で堅調な羽毛ふとんのリフォームとともに、定期的に丸洗いすることでより長く使えるとアピールして浸透を図る。




