サステ素材の進化 北陸ヤーンフェア21レビュー (7)

2021年11月19日 (金曜日)

 「北陸ヤーンフェア2021」では原着ポリエステル長繊維の提案が数多くあった。原着糸は染色加工が不要なことから環境負荷が少なく、サステイナビリティーの観点からも関心が高まる。

 モリリンは韓国子会社で生産する原着ポリエステル長繊維「モコフィーロ」を提案した。167¥文字(U+3325)¥文字(G3-1005)(T)糸で100色を備蓄販売し、レサイプは5千色あり、別注でも対応する。同社は今回展でサステイナブル提案に重点を置き、モコフィーロやオーストリア・レンチングの精製セルロース長繊維「テンセルリュクス」など6商品に絞って出品した。

 糸加工のカワボウテキスチャード(岐阜県羽島市)は原着糸でも一風変わった提案を行った。原着糸を最大3種類、ランダムかつ連続的に混ぜ合わせた特殊混繊糸がその一つ。用途に応じて濃度、ピッチを自在に変更できるもので、グラデーションミックス糸として打ち出した。ベース糸に最大3種類の長繊維を短くカットして交絡させたカットスラブ糸も新提案した。6月に導入した新設備で生産する。さらにサンプルフェアと題して、開発用に5㌔まで無償提供を打ち出し好評を得ていた。

 ミシン糸製造の永井撚糸(大阪市西区)は中国製原着ポリエステル糸を「N―シリーズ」として訴求した。同社はかばん地、革製品など向けのミシン糸が主力だが、N―シリーズで用途を広げたい考え。なま糸、撚糸、刺しゅう糸、さらにミシン糸もそろえた。なま糸、撚糸は168T・187色を備蓄販売する。カバン地、皮革製品用のミシン糸は21色で、独自のインボンド加工(糸の内側で樹脂加工する)を施す。N―シリーズは三角断面糸のため、光沢感がある点が「評価された」と言う。生産する中国企業はペットボトル再生による原着糸も可能で、現在、品質を確認している。

 サイボーは原着糸に加え、部分バイオポリエステル糸「エコリアル」やペットボトル再生糸も打ち出した。どちらも台湾製。部分バイオポリエステルでは少ないとされるフルダル糸もラインアップ。ペットボトル再生繊維ではカチオン可染糸も提案した。それぞれ83T、167Tをそろえたが「共に関心は高かった」と言う。