サステ素材の進化 北陸ヤーンフェア21レビュー (10)

2021年11月25日 (木曜日)

独自のナイロン樹脂

 北陸ヤーンフェアでは、これから市場に広める新しい提案が進められた。三菱ガス化学は、独自のナイロン樹脂「エモクシー」を昨年に引き続いて紹介した。低吸水性や高強力、耐薬品性などが特徴。生地にした際には独特のハリ感が得られ、酸性染料ではなく分散染料で染めるため、堅ろう度も良くなる。

 同社はまだ繊維への展開が少ないが、エモクシーが繊維に向く特徴を持つことから、昨年の北陸ヤーンフェアで初披露した。昨年はパイロット機でのサンプルワークだったが、この1年で中量産のめどを付けた。今回展では、かばん地やメッシュクロス、不織布のメルトブローやスパンボンドなどさまざまな形でサンプルを披露した。

 バイオベースのナイロン樹脂「レクスター」も高密度タフタなどのサンプルを用意して提案し、サステイナブルの流れの中で好評を得た。

 北洞(京都市)は、バサルト(玄武岩)繊維を提案し、注目を集めた。今年の商談数は前年の2倍近くに増えたと言う。

 バサルト繊維は、玄武岩を高熱で溶かして紡糸する繊維で、耐熱性や耐薬品性、高強度などの特徴を持つ。天然の岩を原料とするので環境にも優しい。通常はガラス繊維代替など産業資材用途で使われるが、今回展では独特のメタリックな光沢を生かしたファッション用途としての提案も行った。

 バサルト繊維は編み立て時に糸が折れてしまう課題があったが、糸加工の工夫で糸に柔軟性を持たせ、編み機での生地生産を可能としている。糸は440デシテックス(T)糸を中心に提案するが、167T糸を扱うことも検討している。

 ミマス(三重県玉城町)は特殊糸を中心に展示し、綿・ヘンプ混糸や抗ピル性が特徴のポリエステル100%紡績糸などが好評を得た。新開発のポリエステル紡績糸は、海外製の抗ピルわたを使用したもので、抗ピル性は従来の2級から3級に向上。生地商などからの関心が高かったという。このほか、コンピュータースラブ糸にはないナチュラル感が特徴の手紬(つむぎ)調ポリエステル紡績糸なども注目された。