繊維ニュース

特集 抗ウイルス・清潔・衛生(2)/高まる機能、広がる用途/素材メーカー/ダイワボウレーヨン/シキボウ/小松マテーレ/大和紡績

2021年11月25日 (木曜日)

〈清潔志向で需要拡大/サステ素材としても注目/ダイワボウレーヨン〉

 ダイワボウレーヨンは、消費者の間で高まる清潔志向に合致した素材としてレーヨン短繊維の打ち出しを強めている。レーヨンにさまざまな機能性を付与することでオリジナリティーのある原綿の開発と提案に取り組む。

 新型コロナウイルス禍を契機に消費者の間で清潔志向が一段と高まった。このためウエットティッシュなどワイピング材の消費が増加し、レーヨン短繊維の需要も拡大している。衣料用途でも衛生機能を持つ原料への関心が高まる。

 こうした流れに対して同社は得意の機能レーヨンで市場のニーズの掘り起こしに取り組む。抗ウイルス機能レーヨン「パラモスプラス」や、抗菌レーヨン「バクトフリー」など多彩な商材のラインアップを整理分類し、これまで以上に分かりやすく紹介することで認知度の向上に努める。

 レーヨンは木材パルプを原料とし、生分解性があることからサステイナブル素材としての注目も高い。清潔・衛生志向とサステイナビリティーへの要求というアフターコロナに不可欠な要素をクリアする原料としてレーヨンを打ち出す。

 そのために、清潔や衛生に加えて、保湿など快適性につながる機能も併せ持つレーヨンの開発にも取り組むことで、日本のレーヨン短繊維を海外市場にも打ち出すことを目指す。

〈トリプルSEKマークに/「アンリアレイジ」と提携/シキボウ〉

 シキボウは、抗ウイルス加工「フルテクト」や制菌加工「ノモス」など多彩な清潔・衛生加工を重点提案している。デザイナー、森永邦彦氏のブランド「アンリアレイジ」と提携した共同プロジェクトもスタートした。

 フルテクトは、繊維評価技術協議会が認証する「SEK抗ウイルス加工マーク」のほか、「SEK抗菌防臭加工マーク」「SEK制菌加工マーク(一般用途)」を取得している。従来は抗ウイルス機能に焦点を当てた訴求のため、あえて抗菌防臭や制菌機能を強く打ち出していなかった。

 近年、消費者の間で衛生加工全体への関心が高まり、複数の機能を持つマルチ機能加工への引き合いが増加した。このためフルテクトも抗ウイルス性に加えて抗菌防臭、制菌の機能を併せ持つことを訴求する。SEKマークもトリプル添付しての打ち出しを始めた。

 フルテクトはファッション分野でも注目が高まる。アンリアレイジは継続的にフルテクトを採用しており、パリ・コレクションでも作品を発表した。11月からアンリアレイジと提携し、衛生加工を活用したユニフォームやイベントグッズの開発を進める共同プロジェクトも始まった。

 生地だけでなく糸への衛生加工も本格化する。現在、ノモス糸の提案を進めており、タオルや靴下など先染め・先晒しで生産するアイテムでの普及を目指す。

〈エアロテクノの展開広がる/不織布と複合したマスクも/小松マテーレ〉

 小松マテーレは、抗ウイルス加工を施した衛生関連商品を拡充している。新型コロナウイルスのデルタ株に対する効果も確認した「エアロテクノ」では、このほど不織布と組み合わせた新タイプのマスクも開発した。

 抗ウイルス加工の衛生関連商品は、昨年春に打ち出した可視光応答型光触媒素材「ウイルスシールド」を使ったマスクインナーや布マスクから本格化した。新型コロナ禍での需要拡大もあってEC事業拡大のけん引役となり、マスク関連だけでなくドアノブカバーやパーティションなどにもアイテムが広がった。

 新商品として10月には、抗ウイルス加工「エアロテクノ」を施した生地とヤマシンフィルタの不織布フィルターを組み合わせた3層構造のマスク「ダントツマスクール プレミア」を発表した。JIS適合審査済みで、不織布フィルターが物理的に捕集するともに、エアロテクノの機能でマスクに残留するウイルスを不活性化する。不織布フィルターはヤマシンフィルタの独自技術で開発したもので、手洗い50回後もJISの基準値に適合する性能が維持する。

 エアロテクノは、ウイルスシールドの技術をベースに、組み合わせる特殊吸着剤に改良を加えて高い抗ウイルス性を実現した素材。新型コロナウイルスによる効果試験では、室内の明るさである千ルクスの光照射下で、感染力を99・9%以上低減する効果を確認。今年9月には、デルタ株に対する効果も確認している。マスク関連のほか、カーテン、インテリア関連、ユニフォーム、病院介護用資材、車輌内装材、生活資材などに展開が広がっている。

〈新型コロナにも効果確認/マルチ機能加工2素材で/大和紡績〉

 大和紡績はこのほど、高機能加工「アレルキャッチャー」と抗菌・抗ウイルス加工「クリアフレッシュV」が新型コロナウイルス(SARS―CoV―2)にも抗ウイルス性があることを確認した。

 アレルキャッチャーは信州大学、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター(現・感染症分子研究センター)と共同開発したもの。フタロシアニンを繊維表面に特殊加工することで消臭性、アレル物質吸着性、抗菌防臭性、抗ウイルス性を持つ。クリアフレッシュVは欧州の安全性認証も取得する無機系化合物を繊維表面に特殊加工することで制菌性、抗ウイルス性を持つ。

 両加工とも皮膚貼布試験、経口毒性試験、変異原性試験、皮膚刺激性試験、皮膚感作性試験など各種安全性試験もクリアしている。クリアフレッシュVは繊維評価技術協議会が認証する「SEK抗ウイルス加工マーク」も取得している。

 今回、日本繊維製品品質技術センター(QTEC)で抗ウイルス性試験を実施。試験方法は「JIS L1922繊維製品の抗ウイルス性試験方法」を準用した。その結果、繊維上の新型コロナウイルスが99%以上減少することを確認した。

 抗ウイルス性だけでなく消臭性やアレル物質吸着や抗菌・制菌性などマルチ機能加工として実績のある両加工が新型コロナへの機能も確認したことで、信頼性が一段と高まってきた。