中国ブランド大手に聞く (3) 勁覇男装〈上海〉CEO兼クリエーティブディレクター 洪伯明氏

2021年11月26日 (金曜日)

「第3の創業」で成果

 中国メンズ大手の勁覇男装〈上海〉が進める「第3の創業」が、成果を上げつつある。マルチブランド戦略やネット通販の強化、「中国ジャケット」の打ち出しなど、さまざまな新機軸を打ち出す。陣頭指揮を執る1990年生まれの若きCEO、洪伯明氏に、最近の商況や同社の目指すべき将来像を聞いた。(上海支局)

                      ◇  

――貴社はメンズブランド「勁覇(Kボクシング)」を手掛けています。

 当社は80年代以前に福建省晋江市で創業しました。私は3代目です。3、4級都市を中心に路面店をメインに展開しており、中国全土に2千店弱あります。ターゲット顧客は、35~45歳の会社経営者や公務員などです。

  ――今年の業績は。

 1~9月の売り上げは、新型コロナウイルス禍前の19年同期実績を超えました。ただ7~9月はやや苦戦し、前年同期に比べ横ばいでした。商況が良くないため、ネット通販の強化やさまざまな販促を仕掛け、業績をなんとか維持しています。

  ――洪CEOは14年に東華大学工業デザイン学科を卒業後、デザイン会社経営などを経て、17年に貴社に入社。今年1月にCEOに就任しました。

 17年当時、中国社会は(さまざまなITサービスが登場するなど)変化の時を迎えていました。われわれも変化を迫られていました。私は危機感を持ち、「第3の創業」をするつもりで入社しました。

  ――19年には「マルチブランド、マルチアイテムのファッション集団」を目指す方針を打ち出しました。

 勁覇の顧客よりも若い層を意識した新ブランド「随簡」や「勁覇キッズ」、勁覇の高級ライン「KB HONG」などを投入しています。今年からわれわれの強みのアイテムとして、ジャケットを打ち出し、中国人の体形にフィットする「中国ジャケット」の概念を訴求しています。

 新型コロナ禍後は、これまであまり積極的ではなかったネット通販の強化にも取り組んでいます。

  ――ここ数年、メンズ市場もカジュアル化や多様化が進んでいます。どう対応しますか。

 今はビジカジからストリート系、ユニセックス、機能性の追求などさまざまなトレンドが盛り上がっています。中国人男性も生活レベルが高まり、個性を追求するようになった証です。

 一方で、メンズはレディースと違い、分かりやすい派手なデザインよりも、細部のデザインや素材が重視されます。この点はこれからも変わりません。生地やパターンがとても重要です。われわれもそこにこだわっていきます。