繊維ニュース

東レ/新感覚の織・編み物開発/技術で動物繊維の特徴再現

2021年12月01日 (水曜日)

 東レは、さらっとしなやかな触感を持つポリエステル長繊維織・編み物を開発した。複合紡糸技術と繊維加工技術を組み合わせることで人の髪の毛やウールの特徴を再現し、ストレッチをはじめとする機能性も付与した。23春夏物から「キューティクル」の名称で婦人アウターを中心に幅広い用途で販売する。

 髪の毛やウールなどの動物繊維は数層のタンパク質で構成されている。その大部分を占めるコルテックス(繊維状のタンパク質)はしなやかな反発性を持ち、構造の違いによってさまざまな質感が生まれる。表面構造のキューティクルはあでやかな光沢とさらっとしたタッチを生む。

 新商品はそれらの特徴をポリエステルで表現したバイオミメティクス(生物模倣)生地。複合紡糸技術の「ナノデザイン」でウールのような極薄外殻層を持つ偏心構造原糸を設計した上で、捲縮(けんしゅく)構造や繊維表面に微細な凹凸を与える繊維加工技術を施している。

 ポリエステル生地特有のぎらついた光沢ではなく、ナチュラルであでやかな深みのある発色、さらっとしなやかな気持ちの良い触り心地を実現した。機能面では弾力のあるストレッチ性による快適な着心地と弾むような回復性から生まれる着用シワ抑制(イージーケア性)を付与した。

 中厚地織物を中心に、丸編み地でも提案する。アウターやシャツ、ブラウスなどの用途で国内外のハイエンドゾーンに向けて訴求する。「新型コロナウイルス禍が落ち着き、高感性生地も再注目される」とし、市場浸透に期待。22年度20万メートル(2億円)、25年度50万メートル(5億~6億円)の販売を目指す。

〈織・編み物を値上げ/7~15%〉

 東レは婦人・紳士衣料、スポーツ衣料、ユニフォーム、裏地・資材の各用途向けに販売する織・編み物を来年1月の新規契約分から値上げする。上げ幅は7~15%。

 原油価格、染料、薬剤、樹脂、油剤やエネルギーコストの高騰によるコストアップを自助努力だけでは吸収できないと判断し、需要家に値上げを要請することとした。