旭化成アドバンス 22秋冬婦人服地/ジアセ紡績糸打ち出す/販売は回復基調

2021年12月02日 (木曜日)

 旭化成アドバンスは22秋冬向けの婦人服地で、ジアセテート短繊維の紡績糸「セルン」の販売を開始する。キュプラ繊維「ベンベルグ」混、ウール混などの糸売りを先行させ、「生地売りにも広げたい」(坂元盛也ファッション衣料事業部長)考えだ。

 22秋冬に向けては、対中輸出を中心に販売好調が続くジアセテート関連の商品ラインを充実させる一環として、22秋冬からセルンを打ち出す。

 キュプラ混やウール混による紡績糸開発を進めており、独特の柔らかさ、抗ピル性能を横編みや丸編み製品狙いで打ち出す。22秋冬では紡績糸売りを先行させる。

 巣ごもり需要の増大によってニットの販売も好調としており、ベンベルグやレーヨン、ジアセテート長繊維「ナイア」など化繊による生地開発・企画提案を重視する。

 ユニチカトレーディングの常圧可染ポリエステル「A.H.Y.」とナイアとの複合素材開発にも力を入れており、ジアセテート独特のドライ感、光沢、A.H.Y.の発色性を生かした複合糸、薄地織物を22秋冬から投入する。

 ベンベルグの対中織物輸出が伸びている。生地商経由の間接輸出に加えて今後は子会社の旭化成国際貿易上海事務所との連動で「直接輸出にも乗り出していきたい」との意欲を示す。

 環境配慮型「エコセンサー」では、再生ポリエステル、同ナイロン、同スパンデックス「ロイカEF」ベンベルグなどで商品ラインの幅出しを進めており、11月に大阪で、8~10日に東京で開催する「エコセンサー総合展」で披露する。

 2020年度の婦人服地の販売は新型コロナ禍の影響で苦戦を強いられたものの、21年度に入り、「まだ力強さには欠けるものの、販売は回復基調にある」と言う。