帝人フロンティア/蒸れ感を自己調節/編み地が3次元的に構造変化

2021年12月08日 (水曜日)

 帝人フロンティアは、発汗時に編み地が3次元的に構造変化して衣服内の蒸れ感を自己調節する機能生地「ファイバライブAC」を開発、8日まで都内で開催中の「23春夏スポーツウエア素材個別商談会」で初披露した。計画では2022年度に5万㍍を試験販売し、24年度に25万㍍を目指す。

 23春夏スポーツ・アウトドア衣料向けの重点プロモート素材として打ち出すとともに、カジュアル、ユニフォームなどの機能性衣料、資材用途も含めて幅広く展開していく。

 開発に当たっては、乾燥時と湿潤時で通気性を倍以上変化させるため、特性の異なる2種類のポリマーを貼り合わせたコイル状クリンプ構造の「S/S型複合糸」による特殊加工糸を採用。

 編み地構造が3次元方向に変化し、高レベルで通気性をコントロールできる新たな立体編み地構造体として、編み目が開き蒸れを放出する。湿潤時と乾燥時の経と緯寸法の変化率は5%以下に抑え寸法安定性を図った。他の機能性素材との複合やリサイクルポリエステルとの組み合わせも可能。編み目の広がりを目視でき、体感可能なレベルで通気性が高まることで、消費の動機付けを狙う。

 商談会ではこの他、「クールシェル」「汗反応」「防水・防風」「ストレッチ」を軸に快適生地の提案を強化。ソフトで膨らみのある風合いでナチュラルなスパン調質感を持つ「デルタntr」や、独自のストレッチ性を備えた「ソロテックス」、上質なコットン調の質感と肌触りの良さを備えた環境対応型「アスティ」などを紹介している。