繊維ニュース

旭化成/「ベンベルグ」をリブランディング/タグラインなど刷新

2021年12月15日 (水曜日)

 旭化成は、キュプラ繊維「ベンベルグ」のリブランディングを実施した。生産開始90周年を機にブランドの在り方を見つめ直し、タグラインを新たに「Crafted Elegance」に設定、ウェブサイトも刷新した。時代に適した価値を提供するとし、工場の再開発や新生産技術の開発にも取り組む。

 ベンベルグは1931年に生産を始め、社会情勢や時代のファッションニーズに柔軟に対応しながら事業を発展させてきた。原料から原糸製造、糸加工、織り、編み、染色に至る全ての工程で価値観を共有するパートナー企業と連携し、用途開拓と商品開発を行ってきた歴史とも言える。

 今回のリブランディングは、環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)に代表される社会課題解決への要求に加え、新価値創造の重要性の高まりを受けて実行した。新タグラインのCraftedにはこだわりを持って造られた日本産セルロース繊維、Eleganceには「華美ではない、普遍的な美しさ」という意味を込めた。

 ベンベルグの世界観を認知してもらうための手段の一つとして、キービジュアルとブランドサイトを刷新した。新サイトではコンテンツを拡充し、カーボンニュートラルの説明や識者インタビューをはじめとする時代が求めている情報を分かりやすく伝えるほか、ベンベルグのありたい姿も発信する。

 販売面での再構築も進める。ベンベルグ事業部の前田栄作事業部長は「国内の商売が打たれており、インドなど販売が伸びている分野に仕向け先を替える」とし、現状で約7割の輸出比率を8割程度に高める。新用途では非衣料を拡大し、長繊維不織布「ベンリーゼ」を合わせて強化する。

 工場の再開発については設備のスクラップアンドビルドなどを10年程度の期間をかけて実施する。ベンベルグは設備投資や修繕費で年間30億円程度費やすが、次期中期経営計画では「かなりの資源を投下する」としている。新原糸の開発も進めているとした。

 ベンベルグは、旭化成が生産する世界で唯一の繊維。裏地、民族衣装、アウター、インナーなど幅広い用途で使われる。