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東レ ファイバー・産業資材事業部門/値上げの浸透急ぐ/環境配慮型の提案も重視

2021年12月16日 (木曜日)

 東レのファイバー・産業資材事業部門は2021年度下半期(21年10月~22年3月)、原燃料高騰によるコストアップを転嫁するための値上げを最重点課題に位置付ける。まず、産業資材用のナイロン6、ナイロン66、ポリエステル長繊維、カーペット用BCFナイロンで近々、30~50円(1キロ当たり)の値上げに着手し順次、対象品目を広げる。

 20年度は新型コロナウイルス禍で苦戦を強いられた。21年度上半期は「販売量を回復できた」(平井正夫ファイバー・産業資材事業部門長)ものの、原燃料の急騰で利益が圧迫されており、下半期は4品目から値上げを先行し収益改善を急ぐ。

 ファイバー事業の中で最も苦戦したナイロン長繊維が「戻ってきた」ものの今後、新型コロナ禍以前の状態には回復しないとみており、差別化品を打ち出し、好調な欧米を中心とするアスレジャー用織物向けの拡販に取り組む。

 環境配慮型素材による開発・企画提案も重視する。工場の繊維くずなどを原料にマテリアルリサイクルで生産するナイロンを増やす。22年度後半からは名古屋事業場を起点にケミカルリサイクルも本格的に立ち上げる。

 トレーサビリティーや白度にこだわって開発したペットボトル再生繊維「&+」(アンドプラス)は販売が急増しており、大手SPAや量販店、百貨店からの売れ行きが好調に推移する。21年度で2万㌧強の販売を見込んでおり、22年度には3万㌧近くまで引き上げる。

 原料(フレーク)を増産するため、国内外のいずれかで設備投資を実施する。ポリエステルでケミカルリサイクルを推進する日本環境設計との話し込みにも着手した。

 東レは次の工程に踏み込んで新規用途・顧客を掘り起こす“プロジェクトI(イノベーション)”に取り組んでおり、防獣ネット、建築資材、寝装・寝具、インナー・肌着など40テーマで13億円の売り上げを計画する。次の段階では70テーマ・20億円に引き上げる。