ごえんぼう

2021年12月20日 (月曜日)

 先日、祖父の三回忌だった。よく縁側に座ってキセルでタバコを吹かしていた。たまった灰をトンと鉢に落とし、うまそうに吸う姿を見るのが子供ながらに好きだった▼筆者はタバコを吸わないが、喫煙者に嫌悪感を抱かないのはそのためか。入社時は机でタバコをふかしながら原稿を書く記者も多かった。そんな風景は今や昔。路地やビルの一角で肩身が狭そうに吸う愛煙家たちを見ると何だか同情する▼ニュージーランドでは来年、施行時に14歳以下を対象に紙巻きタバコの購入を生涯禁止する法案が提出されるという。タバコのない国の先駆けとなるか。愛煙家からすれば「そこまでやるか」という感じだろう▼ヘビースモーカーだった芥川龍之介の短編小説『煙草と悪魔』にはタバコを日本に広めたのは悪魔だと書かれている。せっかく手に入れた嗜好品を再び人から奪いつつあるという意味では悪魔らしいやり方ではある。