LIVING-BIZ vol.77(3)/寝具寝装モノ作り/帝人フロンティア/ユニチカトレーディング

2021年12月16日 (木曜日)

〈抗ウイルス中わたを主力に/25年度販売300トン目指す/帝人フロンティア〉

 機能性を付与した中わたの展開で存在感を示している帝人フロンティア。抗菌・防臭や防ダニといった機能を持っている商品がけん引役を務めているが、抗ウイルス加工の「ウイルサラバ」も新たに投入する。ウイルサラバは提案強化を図り、中わたの主力商品に育てる。

 2021年度上半期(4~9月)の寝装用中わたの販売は前年実績並みの数字を確保した。その中で順調に推移したのが機能品で、抗菌・防臭・防ダニの「マイティトップⅡ」や抗菌・防臭の「フィルケア」の販売が伸びた。下半期も高機能中わたを軸に拡販を狙う。

 浸透に期待するのがインフルエンザウイルスをはじめとするエンベロープ(脂溶性の外膜)を持つウイルスに効果を発揮するウイルサラバだ。生地に付着したウイルスの数を約2時間で99・9%減少させる。抗ウイルス加工の「SEKマーク」を取得している。洗濯5回後でも効果が続く。

 「中わたで抗ウイルス加工のSEKマーク取得は初めて」とし、顧客の注目度も高い。リサイクルポリエステル繊維の「エコペット」に加工を施し、環境負荷低減にも貢献する。22年度で100トン、25年度に300トンの販売を目指す。

〈21年4~9月期60%増収/スポーツ用素材活用/ユニチカトレーディング〉

 ユニチカトレーディングの2021年4~9月期の寝具寝装関連は、前年同期比60%増収だった。新型コロナウイルス禍の影響を受けて前年同期の売り上げが落ち込んだ反動があったが、19年同期比でも10%増収だった。

 22年3月期は、サステイナブル素材の提案に力を入れている。ふとんカバー用で、ペットボトルを再利用したポリエステル繊維「ユニエコロ」が採用された。羽毛ふとんの“側”(中わたを入れる前の半製品)用生地などへの提案にも力を入れる。

 4月の組織改編で、サステナブル繊維営業第二部に、ホームテキスタイル向けの東京テキスタイル第一課と、スポーツ向けの同二課が組み込まれたことで、スポーツ分野の吸汗速乾や接触冷感機能を持つ素材活用も進めている。同部の福田晃久部長は「横に広げていきたい」としている。

 合繊の原材料や原綿の価格高騰、織物・編み物の染色加工に使用する染料、助剤などの価格上昇、さらに物流費、ユーティリティー費用などの高騰によるコスト増を受けて、寝具寝装向けの合繊、天然繊維、織物・編み物も12月出荷分から10~20%値上げした。