東洋紡STC ユニフォーム事業/ニットシャツ地を伸ばす/年明けから値上げに着手

2021年12月23日 (木曜日)

 東洋紡STCはユニフォーム事業で、高機能ニットシャツ地の拡販に力を入れる。スポーツウエア向けの販売が先行した「スクラムテック」を2022年度からユニフォームにも導入。ジャケット&パンツのような中肉アイテムの市場を開拓する。

 スクラムテックはポリエステルと高弾性糸を交編した高密度な丸編み地。軽量・ストレッチ性のほか、ハリ・コシにも優れているため製品映えもする。

 耐久性をアップさせた「スクラムテックタフ」、フリーカットしてもほつれにくい「同フリーカット」、伝線しにくい「同ノンラン」、吸汗速乾、防風、撥水、UVカットの機能性を持たせオールシーズンに対応する「同プロ」などで商品ラインを拡充しており、ジャケット&パンツ、セットアップのゾーンを掘り起こす。

 薄地の高機能ニットシャツ地「Z―シャツ」、「E―シャツ」の販売は引き続き好調で22年度も2桁%の拡販を計画する。

 22年度は、このほかペットボトル再生繊維「エコールクラブ」や抗ウイルス「ナノバリアー」、制菌「エピコモド」、難燃「レジスファイアー」、ストレッチ「オールフレックス」を重点的に打ち出す。

 21年度は当初、新型コロナ禍による苦戦から業績を回復させる予算を組んだが、ベトナムに構える縫製拠点・東洋紡ビンズンが2カ月のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けたほか、原燃料高に伴うコストアップ、円安の影響などで「19年度並みの業績に戻るのは22年度から」(山本慎太郎ユニフォーム事業部長)とみる。

〈4月から新価格へ〉

 合繊原料や綿花、染色加工料金、物流費など全てのコストが高騰のため、年明けから値上げのアナウンスに着手する。「4月1日出荷分から新価格体系に移行させたい」考えだ。